フリー株式会社(東京都品川区)のグループ会社である透明書店株式会社が経営する書店「透明書店」は、法人向けシェア本棚の提供を始める。3周年に合わせてミッション・ビジョンも策定し、従来は主に個人向けだった棚貸し事業を法人の利用にも広げる。
新施策は、透明書店のシェア本棚を法人向けに開放する点が特徴だ。1冊以上の書籍販売を条件に、雑貨など書籍以外の商品も扱えるようにし、新刊販売に加えて進めてきた運営施策を法人利用へと拡張する。
店内に約3,000冊
透明書店は店内で、ノンフィクションや小説、エッセイ、漫画、絵本などジャンルを問わず約3,000冊をそろえる。2026年4月21日の3周年に合わせて法人向けシェア本棚の提供を含む3つの新たな取り組みを始める予定で、法人向けには約28×81×27cmの通常より大きい棚を用意し、企業の小さなショップやショールーム、広告としての利用を想定する。
法人向けシェア本棚は、従来の個人向けシェア本棚を一部法人にも広げる形で構成し、書籍販売と物販を組み合わせた運用を可能にする枠組みとする。書籍を軸にしつつ、多様な商材を棚単位で展開する小規模な販売拠点として活用できるようにする。
透明書店は2023年4月に東京都台東区寿でオープンした。新刊書籍の販売に加え、スペースレンタル、「独立したい系書店」をコンセプトにした個人向けシェア本棚(棚貸し事業)、古本の取り扱い、無人営業の導入など、店舗運営の手法を広げてきた。フリーは2022年11月に透明書店株式会社を子会社として設立しており、スモールビジネス運営の経験を自社のSaaSサービスに反映することを掲げ、書店運営の成功・失敗体験を公開している。
店内のモニターでは、ChatGPTなどのAI技術を活用した副店長「くらげAI」が来店者を迎え、おすすめの本を提案したり雑談相手になったりする。売上などの経営状況から日々の出来事までを「透明」に発信する小さな本屋として、東京・蔵前エリアで営業している。
日本の書店市場は2023年度に約5,000億円規模とされ、縮小傾向が続くなか、運営の多角化に取り組む書店が増えている。日本出版販売のデータでは、小規模書店数は2022年の約1万店から2025年には約9,500店へ減少した。棚貸しやイベント、広告収入などを組み合わせる動きが広がるなかで、透明書店は個人向けで進めてきたシェア本棚を法人にも広げ、収益源の分散と新たな顧客層の開拓を図る。
書籍販売を条件化
法人向けシェア本棚は、1冊以上の書籍販売を必須条件とし、そのうえで雑貨など書籍以外の商品も販売できる仕組みとする。棚サイズは約28×81×27cmとし、企業の小さなショップやショールーム、広告媒体としての利用を見込む。店内で扱う書籍と法人が取り扱う物品が同居する形となり、書籍販売条件によって棚ごとの構成を整理する運用とする。
3周年に合わせて策定するミッション・ビジョンのもとで、法人向けシェア本棚の利用条件として設定した「1冊以上の書籍販売」が運用面の焦点となる。法人側はこの条件に沿って出品構成や販売オペレーションを設計する必要があり、透明書店側も取引管理や法人営業の面で、書籍以外の商材の取り扱い範囲を店内運営と整合させる体制づくりが求められる。2023年の開店以降に積み上げてきた棚貸しやスペース活用のノウハウを踏まえ、法人向けの新たな収益モデルを加える動きとなる。
