FIGは、ロボット事業参入を新たな成長ドライバーとして育成する方針を示している。従来の「IoT」と「マシーン」の2セグメント体制を、今期から「IoT・ペイメント」と「ロボット・オートメーション」に再編した。交通分野に強みを持つIoTビジネスを軸に据えつつ、事業の柱を組み替える。これにより、交通・物流の現場で省人化ソリューションの選択肢が広がる可能性がある。
FIGは業務用IP通信を中核とするIoTソリューションと、半導体・自動車関連装置やロボットなどを手掛けるマシーン事業の2本柱で展開してきた。グループ中核のモバイルクリエイトは、交通・物流分野向けに動態管理や配車システム、IP無線などのIoTソリューションを提供する。ロボット領域では、上位システムと連携するロボット管理システムを通じて協働環境づくりを進める考えだ。
IP無線の導入状況
主力のIP無線システムは、タクシー約27,700台、バス約17,400台、物流トラックなど約106,200台に導入されている。タクシー配車システムやバスロケーションシステムなど、交通分野のDXに直結するサービスも展開し、地方交通事業者を中心に顧客基盤を築いてきた。タブレット端末ではDiDiやUber、S.RIDEなど外部のドライバーアプリ連携も進めている。
業績は回復基調が続いている。2025年12月期の連結業績は売上高13,318百万円(前期比10.8%増)、営業利益834百万円(同129.3%増)だった。2026年12月期の会社計画は、売上高14,000百万円(前期比5.1%増)、営業利益1,000百万円(同19.9%増)を見込んでいる。
ロボット・オートメーションでは、サービスロボット「WILL」の開発・販売に加え、純国産の搬送ロボットを手掛けるロボットベンチャーの株式会社匠と提携し、FA向け(工場や物流倉庫)をメインターゲットにGTP(棚搬送ロボット)を展開する。商品力強化のため、上位システムであるWCS(倉庫制御システム)などの開発にも取り組んでいる。産業用ドローンの開発・販売では、農薬散布ドローン、除草剤散布ボート、空撮ドローン、物資運搬ドローンなどの機体を取り扱う。
匠とGTP展開を明示
ロボット領域の取り組みは、株式会社匠との提携を含む協業の形をとっている。対象はFA向け(工場や物流倉庫)をメインターゲットとし、GTP(棚搬送ロボット)を展開する計画を示している。上位システムであるWCS(倉庫制御システム)などの開発にも取り組む方針で、ロボット管理システムと上位システムの連携に言及している。
従来の事業体制を再編した経緯として、FIGは交通分野に強みを持つIoTビジネスを軸にしつつ、ロボット領域を新たな成長ドライバーとして育成する方針を示してきた。交通・物流分野向けでは、モバイルクリエイトが動態管理や配車システム、IP無線などを提供し、決済分野では交通領域に強みを持つペイメントサービスを展開し、決済センターを自社で運営している。ロボット側では、GTP、WCS開発、産業用ドローンの取り扱いを並行して進める構えだ。
市場環境についてFIGは、交通分野で人手不足や地域公共交通の再編を背景にDX需要が拡大し、タクシーやバスの運行効率化、決済のキャッシュレス化が進んでいる点を挙げる。物流分野でも動態管理や車両管理のIoT化が進展し、IP無線や運行管理システムの需要は底堅いとしている。ロボット市場では中国企業が存在感を高める一方、導入後の運用やサポート体制に課題も多いという認識を示している。
