株式会社FCE(東京都新宿区)は、同社が提供する教育プログラム「7つの習慣J®」が令和8年度から全国5校の私立中学・高校で新たに導入されると発表した。対象は私立中学校1校と高等学校4校。いずれも生徒の主体性を育む教育を模索する学校で、同プログラムが採択された。長期的な学校改革の一環とされ、人間性教育を教育方針の中核に据える動きが広がっている。
同社は、少子化による生徒数減少が続くなかで、教育理念を生徒の日常行動に反映させる支援を進めており、今回の導入はその一環に位置づけられる。プログラムはスティーブン・R・コヴィー博士の著書『7つの習慣』を原点に、日本の教育現場向けに構築されたものである。FCEは教材提供にとどまらず、教員研修や経営支援も含めた包括的な協働体制を整えている。
5校が令和8年度に導入へ
新たに導入する学校は、千葉県の東京学館高等学校、香川県の坂出第一高等学校、福岡県の東海大学付属福岡高等学校、佐賀県の佐賀学園高等学校、長崎県の海星中学高等学校の5校。FCEによると、同プログラムは私学で20年以上にわたり実施され、累計受講者は約36万人に上る。学校教育における人間性や主体性の育成を目的に、各校の教育理念と親和性をもって活用されてきたという。
文部科学省の「学校基本調査」によると、全国の児童・生徒数は過去10年間で約10%減少した。出生数の減少傾向も続いており、学校間の競争が激しくなるなか、教育理念の浸透と個別化を重視する取り組みが注目されている。
FCEは、近年の新学習指導要領改定や探究学習の必修化に対応するため、2023年にプログラムの抜本的な見直しを行った。授業数の増減に対応できる「第1の習慣×セルフコーチング」の新構成を追加し、対話型学習への転換を進めたことで、導入校の拡大を促している。
同時に、元プロ野球選手で監督・解説者の古田敦也氏を公式アンバサダーに迎え、若年層にプログラムの意義を広げる活動も展開している。これは、同社が推進する主体性教育による職場環境改革の延長線として、世代を越えた人材育成の一体化を図る狙いがある。
学校支援体制と提供範囲を明確化
教育プログラムの提供にあたっては、FCEが教員向け研修や保護者への理解促進活動、学校経営トップ間の交流会などを組み合わせて行う仕組みをとっている。単発の教材販売ではなく、学校運営全体を支える伴走型支援の形式で展開される。導入期間は令和8年度開始とされ。
プログラムの内容は、授業用教材と教員研修を組み合わせて学校の教育方針に合わせて調整できる。これにより、地域や学年構成の違いに応じた導入形態をとることができるようになっている点が特徴だ。提供主体はすべてFCEが担い、外部委託や第三者提供の記載は確認されていない。
同社は導入校との間で継続的な連絡体制を構築しており、得られた事例をもとに教育機関への展開方法を検討していく方向を示している。今回の導入は、導入効果や運用課題の共有を通じて、制度的な再現性を探る枠組みとされている。
FCEは「7つの習慣J®」などを通じて学校経営支援を進めており、教育と組織変革の両面から人的資本の最大化を目指す姿勢を示している。こうした動きは、企業における主体性教育による職場環境改革とも重なり、人を育てる仕組みづくりの接点として注目される。