株式会社FBSの包括的人材育成制度は、職場内研修(OJT)を人材育成策の基本に据えつつ、社内研修制度で補完する枠組みとなっている。新入社員向けに3ケ月間の集合研修や1年目終了時のフォローアップ研修を用意し、メンター制度やキャリアデザイン制度も設ける。制度を通じて社員のスキル向上を図る考えだ。
人材育成の中心はOJTで、現場で実際の業務に携わりながら上司や先輩から知識・技術を習得する運用を強化する方向性を示している。これを補完する社内研修制度では、階層別研修に加え、外部研修機関との連携によりテクニカルスキル研修とビジネススキル研修を用意した。金融機関向けのシステム開発をメインで行う事業特性を踏まえ、金融系の業務知識の習得を目的とした研修も行うとしている。
新入社員研修は3ケ月
新入社員教育では、入社後に新入社員集合研修(3ヶ月)を実施し、社会人として必要な基礎スキルやIT技術の習得に向けたIT基礎研修を行う。続くOJTでは、上司や先輩から仕事に必要な知識・技術を習得し、スキルを向上させていくことを最大の人材育成と位置づけて強化するという。
あわせてメンター制度を設け、先輩社員がマンツーマンで新入社員につき、2年間の教育計画を立てる。仕事面やプライベート面の相談にのり、技術だけではなく会社生活における疑問や不安の解消に向けて指導やアドバイスをする運用を示している。入社1年目終了時には新人フォローアップ研修を実施し、入社後1年経過する頃に行動や経験を振り返り、今後必要なことややるべきことを考える機会とする。
社内教育制度では、階層別研修として入社から定年まで各階層での役割・スキル・あるべき姿を学ぶ枠組みを掲げる。キャリアデザイン制度では、毎年年度当初に上司と相談してキャリアイメージを目標として定め、目標達成に向けた具体的な教育計画を立て、計画の実行と上司との面談を重ねて継続的にスキルアップを図っていくとしている。
外部研修と連携
テクニカルスキル研修は、大手研修機関の「富士通ラーニングメディア」と連携し、多種多様な研修メニューから選んで受講できるとしている。受講可能カテゴリとして、リーダーシップ、コミュニケーション、実行/オペレーション、マネジメント、業務改善/IT活用、新入社員/若手社員、中堅/幹部/中高年などを挙げ、システム基盤共通(クラウド、IoT、AI、ロボット/RPA、ビッグデータ、データサイエンス等)や情報セキュリティ、プロジェクトマネジメント、ITサービスマネジメント、Webアプリケーション開発技術(Java等)なども含めて示した。
ビジネススキル研修は、大手研修機関の「ALL DIFFERENT」と連携し、約150コースの研修メニューから個々の課題や目標に合わせて選んで受講できるとしている。受講可能カテゴリとして、ビジネススキル(業務効率化、ビジネスマナー、ビジネス基礎、自己管理)、コミュニケーションスキル(ファシリテーション、書く、聞く、伝える、考える)、ビジネス知識(リスク管理、コンプライアンス)、マネジメントスキル(リーダーシップ、管理職、部下育成、メンタルヘルス、タイムマネジメント)を挙げた。
資格取得支援制度では、70以上の推奨資格を定めたうえで支援を行うとしている。国家試験やITベンダー資格、TOEIC等の会社推奨資格に合格した場合は報奨金と受験料を支援し、資格取得のための勉強会の開催や、業務上必要な上級資格を取得する場合の外部研修の受講支援も行うとしている。
制度設計の経緯として、FBSは「企業の一番の資産は人」との考えから人材の育成を最重要事項とし、OJTを基本に社内研修制度を用意してきたとしている。文系・理系を問わない採用方針を掲げ、入社後3ケ月間に及ぶ新人研修やOJT、社内研修制度による教育制度を示している。
OJTと研修の役割分担
育成の主軸はOJTで、社内研修制度はこれを補完する形をとっている。新入社員集合研修(3ヶ月)、OJT、メンター制度(2年間の教育計画)、新人フォローアップ研修(入社1年目終了時)を組み合わせ、入社初期から一定期間の育成手順を示した。
社内研修制度では、外部研修機関と連携して多種多様な研修メニューから選択して受講できる運用を示している。一方で、研修の提供形態(常設か期間限定か)や、対象者の人数規模、受講の必須・任意の区分などは明示していない。
業務知識習得研修では、金融系(銀行・保険等)の業務知識の習得が重要との考えから各種金融系の業務研修を行うとしているが、研修の具体的な内容や実施頻度は記載していない。資格取得支援では推奨資格の数や支援メニューを示す一方、支援対象となる資格の個別名称は示していない。
制度運用の焦点は、OJTを最大の人材育成と位置づけて強化する方針と、外部研修機関との連携を通じた研修メニューの選択制を、社内の教育計画や面談運用とどう接続するかにある。
