株式会社ファルテック(神奈川県川崎市)は2月12日、2026年3月期第3四半期連結決算を発表した。売上高は522億6,600万円で前年同期比11.1%減、営業利益は5億600万円で同55.8%減となり、純損益は4,000万円の赤字に転落した。原材料費や人件費の高止まりが続くなか、自動車メーカー各社の生産減少が売上減少に影響した。
同社は自動車用外装部品を中心に製造・販売するメーカーであり、日本・アジア・北米の3地域で事業を展開している。今回の決算ではすべての地域で減収となった。背景には、自動車業界全体における原材料や物流費の上昇、さらに為替変動などの外部要因がある。これを受け、ファルテックは生産効率化や費用管理を進める姿勢を示している。
連結売上522億円に減少
当第3四半期までの連結売上高は522億6,600万円と、前年同期比で約11%減少した。営業利益は5億600万円、経常利益は5億6,100万円にとどまり、いずれも前年同期比で約6割近い減少幅となった。
親会社株主に帰属する四半期純損失は4,000万円で、前期の4億900万円の黒字から赤字となった。減益の主因は、売上減少およびエネルギー・物流費の上昇とされている。
セグメント別では、日本での売上が422億4,100万円(前年同期比5.8%減)となり、セグメント利益は5億9,500万円(同21.9%減)となった。
アジアでは中国市場における日系メーカーの販売減の影響により、売上45億8,400万円(同30.3%減)、セグメント利益1億5,300万円(同66.7%減)と落ち込んだ。北米では54億4,100万円(同26.1%減)で、関税対応費用の増加もあり2億4,300万円の損失を計上した。
財務体質は維持も自己資本比率0.2ポイント低下
総資産は688億3,100万円と前期末比で12億6,600万円増加した。現金および預金は前期末比で約29億円増加した一方で、売掛金が約22億円減少した。
短期・長期の借入金合計は約197億円にのぼり、固定資産のうち機械装置と建物の減価も見られた。負債は478億3,400万円で前期末比約17億円増となり、特に短期借入金と前受金の増加が目立った。
純資産は209億9,600万円と、前年同期から約4億3,800万円減少した。自己資本比率は26.6%と前年同期比で1.2ポイント低下したが、財務基盤としてはおおむね安定した水準にある。
為替換算差額が5億円程度減少し、外貨建て事業の採算も圧迫している。
通期予想据え置き 第4四半期偏重見込む
ファルテックは通期の業績予想について、2025年5月時点の公表値を据え置いた。通期での売上高を720億円、営業利益11億円、経常利益8億円、純利益2億円と見込む。第3四半期累計では進捗が計画を下回っているが、同社は自動車業界の慣行上、第4四半期に販売・生産活動が偏重する傾向があるとして、業績予想の修正は行わない方針を示している。
なお、配当も前期から変更なく無配を継続する予定だ。
今回の判断の背景には、足元のコスト高や為替変動など外部要因が依然不透明である一方、主要取引先の生産調整が第4四半期に改善へ向かうとのシナリオがある。
国内外での 生産回復を踏まえ、在庫調整の進捗を注視する姿勢を示した。
自動車業界の環境変化と事業構造への影響
ファルテックは自動車用外装製品を中心に、グリルやモールなどを開発から量産まで一貫して提供している。
もともとは日産自動車系の部品会社として設立され、現在は独立系サプライヤーとして国内外の複数メーカーと取引関係を持つ。アジア・北米を含む海外展開の拡充を進めてきたが、米国の関税政策や中国における日系メーカーの販売シェア低下が逆風となっている。
背景には、世界的に進む電動化や地域別の規制対応コストの増大がある。
原材料では樹脂・鉄鋼などの価格上昇が続き、物流費や人件費も高止まりしている。経営環境の厳しさから、調達・製造・物流の各工程での効率化が課題とされる。為替差益の消失などもあり、収益構造の再構築が求められている。
経営陣の姿勢は?
関係者によると、コスト削減だけでなく、主要顧客との共同による開発効率化や新素材技術の適用拡大も検討しているという。
ファルテックは第4四半期に収益構造の回復を見込むが、通期業績の達成には生産回復の持続とコスト圧力の緩和が不可欠となる。
国内外の自動車需要の動向と為替の変動が引き続き収益性に影響するため、同社の効率化策の進展が注目される。