株式会社エムアンドエムサービス(京都府亀岡市、代表取締役社長 小池悟)は2025年11月29日、能登半島地震の影響で閉鎖されていた石川県七尾市の「なかじま猿田彦温泉 いやしの湯」を約1年11カ月ぶりに営業再開したと明らかにした。
同施設は地元中島町における日帰り温泉の拠点であり、再開当日には七尾市副市長 星野弘幸氏も出席してテープカットが行われ、地域関係者や住民らが復興の節目を祝った。
震災による被害からの再開となった今回の取り組みについて、エムアンドエムサービスは「再び地域の憩いの場を取り戻すことが目的」としており、同社が施設の整備・安全確認を経て指定管理者として再び運営を担う。能登半島地震の発生以降、観光や入浴施設の休止が地域経済に打撃を与えていたことから、七尾市は地元観光復興の象徴と位置づけて支援を続けていた。
待望の日帰り温泉が営業再開 住民ら祝福
当日のセレモニーは午前10時から行われ、七尾市副市長 星野氏、小牧町会長 赤坂達也氏、エムアンドエムサービスの小池社長らが参加した。
式典では地元のそで地区の高校生らによる「外雷太鼓」の演奏が披露され、七尾市のマスコットキャラクター「とうはくん」も登場した。
約700日ぶりの営業再開に立ち会った来場者からは「待っていた」という声が多く聞かれ、地元住民による手作りの祝賀ムードに包まれた。
イベントでは先着来場者に地元産の牡蠣汁をふるまうなどの催しも実施され、綿菓子や焼きそばの販売、子ども向けの交流企画も行われた。再開後の施設では内湯や露天風呂、サウナなどが整備されており、休憩スペースも改修を終えた。運営側は「衛生管理と安全確認を徹底し、地域が誇る温泉の再出発を支える」としている。
全国で公共施設運営 ノウハウ活かす企業戦略
エムアンドエムサービスは、全国各地でホテルや温泉宿、観光施設の運営受託を行う企業で、複数の公共施設の再生を手がけてきた。自社ブランドやコンサルティング事業を通じて、施設運営や運営支援、人材育成を組み合わせた「伴走型運営」を展開しているのが特徴だ。同社は京都府・三重県・山梨県などにも研修拠点を持ち、宿泊や観光業の人材育成にも力を入れており、地域観光再生と雇用創出の両立を目指している。
同社が運営する主な施設には、京都府亀岡市の「里山の休日 京都・煙河」や和歌山県熊野市の「里創人 熊野倶楽部」などがある。また、社員研修制度内では「5年間計画的ステップアップ」を掲げ、現場接客・運営業務を通じ地域観光担い手育成を推進しており、この取組は七尾市再開事例にも反映された。
能登観光回復へ象徴的拠点 行政と企業連携強化へ
七尾市の星野副市長は式典の中で「単なる施設再開ではなく、中島全体復興のシンボル」と述べ、全国の支援に対する感謝を表明した。市は復興支援と並行し観光回復策を推進しており、宿泊・観光・温泉・食文化・観光資源の活用など、関係者の歓迎の声が多く寄せられている。