株式会社エフアンドエム(大阪府吹田市)は、自社が提供するアラカルト型人事労務クラウドソフト「オフィスステーション 労務ライト」の一部機能を終了する。対象は同ソフトに搭載されている「帳票機能」で、2026年1月29日午前0時に提供を終える。終了後は「帳票」アイコンが非表示となり、当該アイコンから操作可能な機能は利用できなくなる。
同社はサービス内容の見直しを通じ、労務ライトの品質向上とサポート体制の強化を図る方向を示している。無料プランでの機能提供を終了し、今後は有料版「オフィスステーション 労務」に注力する。これにより、業務効率化や顧客支援をさらに推進する構えだ。
利用社数5万社超のオフィスステーション
「オフィスステーション」シリーズはリリースから9年で利用社数が5万社を超え、利用継続率は99.6%となっている。シリーズには労務、年末調整、給与明細、勤怠、タレントマネジメントなど複数製品があり、必要な機能を選んで導入できる仕組みを採用している。「帳票機能」は無料版で提供されてきたが、終了後は有料版で継続利用が可能とされている。
この変更は、無料提供されてきた一部機能を有料プランに集約するものだ。無料プランを利用してきた既存の顧客には、メールや会員サイトを通じて案内が行われている。
労務業務の複雑化に対応する体制
背景には、人事・労務業務の高度化と複雑化がある。エフアンドエムは安定的な品質維持とさらなる向上のため、提供体制を見直したと説明している。サービスの見直しを通じて、労務データの一元管理や手続きのペーパーレス化を進める方針だ。
エフアンドエムは1990年設立。東証スタンダードに上場しており、2025年3月期の連結売上高は170億6,637万円、従業員数は982人。会計サービスや中小企業向け管理部門支援などを手がけている。グループとしては、バックオフィス支援を中心に全国展開している。
機能の再編と有料版への移行方針
「帳票機能」の終了は、数量や地域の限定には該当せず、無期限のサービス終了として扱われる。再販や代替提供の予定は示されていない。終了後の利用環境は「有料版への移行を案内する形」とされ、提供範囲を明確に分けて運用する。
有料版「オフィスステーション 労務」では、帳票機能に加えて各種申請・手続きのデジタル化機能を備えており、行政・労務担当者間のやり取りをクラウドで管理できる仕組みを提供する。販売や運用はエフアンドエムが一貫して担う体制をとっている。
同シリーズではすでに弥生株式会社へのOEM提供(製品名「弥生労務Next」)も行われており、一定の継続性を保つ構造となっている。今回の無料版一部機能終了も、この一連の体制整備の一環として位置づけられる。
「帳票機能」終了後の運用では、有料版への移行案内を通じて業務継続を促す構成となる。無料版利用終了の周知は既存会員へのメール通知とサイト告知を前提とする体制をとっており、既存顧客管理を継続する仕組みが整えられている。
今回の変更は、労務クラウド領域における機能再編の一例であり、同社は引き続きサポート体制の強化を進める方針を示している。