女子プロレス団体スターダム(東京都中野区)は2025年12月3日、エドウインが展開するデニムブランド「SOMETHING」とのコラボ商品「POI FLARE」を発表した。スターダム所属レスラーのなつぽい選手が企画に携わり、「小柄スポーツ女子におくる魔法のデニム」をコンセプトに開発された。スターダムFC有料会員を対象に同日17時から予約販売を始め、18時からは無料会員およびSOMETHING公式通販サイトでも受付を開始する。
なつぽい選手自身の体型的な悩みが開発の契機となった。身長150センチと小柄で、日々のトレーニングに伴う筋肉の発達により「タイトなデニムが不格好に見える」ことがあったという。こうした課題を共有する女性アスリート層に向け、既存の既製服では対応が難しかった着用感と美しいシルエットを両立させた。企業側は、体型を「コンプレックスではなく魅力として表現する」アイテムとして打ち出している。
スターダムとSOMETHINGが共同で開発
「POI FLARE」は、低身長でも脚長に見える設計を取り入れたフレアデニムだ。高めに設定されたひざ位置や、ふくらはぎを包み込む独自のカッティングを特徴とする。素材にはリヨセル混のオリジナルデニムを用い、筋肉質な太ももやヒップにも柔軟にフィットする伸縮性を確保した。ベースモデルはSOMETHINGの人気商品「LISA FLARE」だが、新たな型紙を使ってレングスとシルエットを調整。濃色インディゴの深いトーンで、脚を引き締めて見せる効果を狙ったという。デザイン面では、なつぽい選手のイメージカラーであるイエローを基調に、腰裏ラベルやリベットに同色を配した。さらに、腰裏ベルト部分には本人のアイコンである「ぽいマーク」の刺繍を施すなど、コラボの象徴的要素を随所に取り入れている。
ブシロードグループで進むブランド連携
スターダムはブシロードグループの一員で、新日本プロレスリングの傘下にあたる。ブシロードホールディングスはエンターテインメント事業を中心に、音楽・スポーツ・メディアなど多角化を進めており、関連ブランドとの協業を積極化してきた。今回のコラボも、プロレスを発信源としたファッション展開の一環とみられる。競技用ウェアにとどまらず、アスリートの体型やライフスタイルを踏まえた一般向け衣服への応用は、スポーツ関連企業でも注目トレンドとなっている。素材は従来のストレッチデニムを改良し、日常着としての快適性と見た目の両立を図る点が特徴だ。
女性アスリート層への新展開
プロレスラーやフィットネス競技者など、筋肉量が多い女性に特化したアパレルは市場に限りがあり、これまで「一般的サイズでは合わない」との声が多かった。スターダムは、「POI FLARE」を通じて、こうした層の実体験を起点にした商品企画を示す。コラボにあたってなつぽい選手は、「小柄でも動きやすく、美脚に見える」点を重視したと説明している。彼女は「世界最速の妖精」と呼ばれる人気選手で、2025年にキャリア10周年を迎える。試合だけでなくメディア出演や音楽活動など幅広く活動しており、今回の商品登場はファン層の拡大にも寄与するとみられる。
予約販売と販売体制の詳細
商品名は「POI FLARE」。販売価格は税込16,500円、サイズはSとMの2展開。予約販売は12月14日までに限定数量を受け付け、予定数量に達した場合は一般販売を行わない。また、期間中の購入者には特典として、なつぽい選手の直筆サイン入りブロマイドが付く。一般販売は12月19日からの開始を予定し、スターダム公式通販「My STARDOM」とSOMETHING公式通販で扱う。数量限定の企画で、既存商品のリデザインではなく特別仕様だ。スターダムFC向けの販売区分を設定することで、ファンクラブ加入者の囲い込み強化も狙う。スポーツ団体がアパレルブランドと連携し独自商品を打ち出す取り組みは、他競技団体にも波及しており、新たな収益モデルとしての注目度が高い。
ファッション業界で広がる多様性対応
近年、ファッション業界では体型や性別の多様性に合わせた商品開発が各ブランドで進んでいる。特に国内デニム市場では、生地の伸縮性やサイズ展開の拡大、職業・趣味に応じた仕様設計の強化が見られる。SOMETHINGを展開するエドウインでは、これまでも女性向けデニムのフィット感向上に注力してきたが、今回はアスリートの実測データを反映した点が新しい。市場関係者によると、女性アスリートや筋トレ愛好者の増加に合わせ、専門ブランドとタレント・選手の協議プロジェクトが増加傾向にある。こうした共同商品はSNSを通じた波及効果が大きく、期間限定販売でも高い話題性を持つとされる。
ブランド事業拡大への試金石
今回のコラボは、スターダムにとってプロレス事業以外のブランド展開を強化する試金石となる。スポーツ分野で培った知名度をファッション領域に広げる動きが軌道に乗れば、ブシロードグループ全体のライセンス活用にも弾みがつく可能性がある。一方で、数量限定商品やファン向け販売に依存したビジネスモデルは、持続的な拡張には課題も残る。今後、一般市場での継続販売や新規シリーズ開発につながるかが注目される。女性アスリートのリアルな体験を製品に結び付けた同事例は、スポーツとファッションの融合による新しいものづくりの方向を示すものといえる。