株式会社エデンレッドジャパン(東京都港区)は、福利厚生を活用した賃上げ策「第3の賃上げ」を福岡県内の企業へ広げる目的で、食の福利厚生サービス「チケットレストラン」を3ヶ月間無料で利用できる福岡県限定キャンペーンを開始した。対象は県内に本社または事業所を持つ企業で、先着50社が利用できる。
同社は、給与以外の方法で従業員の実質手取りを増やす「第3の賃上げ」を提唱している。食事補助などの福利厚生は、一定の条件下では税金や社会保険料の影響を受けにくく、企業と従業員双方の負担軽減が期待できるためだ。今回の施策は、2024年に立ち上げた全国プロジェクト「#第3の賃上げアクション」の一環であり、特に賃上げ需要と人材確保ニーズが高い福岡エリアを重点対象としている。
福岡県内で3ヶ月無料キャンペーン
キャンペーンは2026年2月24日以降に新規で申し込み、4月30日までに運用を開始した企業が対象となる。対象企業は「チケットレストラン」のシステム利用料が3ヶ月無料となる。一定の条件のもとで非課税となる制度を活用し、企業規模を問わず導入しやすいことを想定している。
同社によると「チケットレストラン」は全国25万店舗以上で利用可能であり、リモート勤務者や夜勤者も公平に利用できる仕組みをもつ。Uber Eats加盟店も含まれ、地方勤務者にも提供しやすい。2025年の新規導入企業数は2021年比で12.6倍に伸びたことが示されている。
背景には、九州・沖縄地区で社員の退職や採用難、人件費高騰などを要因とした「人手不足倒産」が2年連続で過去最多を記録したことがある。帝国データバンクによる調査では、「賃上げ疲れ」が経営課題として浮上しており、賃上げだけでは社員の定着や採用力を維持しにくい状況が見られる。「賃上げに加えて福利厚生も重要」と回答した企業が8割近くに達しており、生活支援型の施策強化が進んでいる。
導入体制と運用上の特徴
「チケットレストラン」は、企業がICカードを社員に配布し、全国の飲食店やコンビニで利用できる形式をとる。運用開始まで最短14日間とされ、担当者は月1回のチャージ予約を行うのみで運営が可能となる設計だ。2023年にはUber Japanと業務提携し、取り扱い店舗は25万店規模に拡大した。
この仕組みは、エデンレッド(Edenred)グループの技術基盤を活用しており、グループ全体では世界45カ国にわたり100万社の企業と6,000万人の従業員を結ぶ。国内では35年以上の運用実績を持ち、導入企業数4,000社、利用者数30万人とされる。
キャンペーンは数量限定として先着50社を対象とし、再販や延長予定は明示されていない。エデンレッドジャパンが全体の実施主体となり、福岡アクションにおける運営・受付を担う形をとっている。
同社は「第3の賃上げ」普及に向け、名古屋商工会議所、北陸銀行など地方団体との連携も実施してきた。今回の福岡施策は、昨年の「#第3の賃上げアクション2026」発表に連動する地域展開であり、地方の人材確保課題に対応する重点的取り組みとなる。
