株式会社ダスキン(大阪府吹田市)は京都府と「災害時等における避難所等の衛生環境整備に関する協定」を締結した。同日、西宇治運動公園の体育館内で、協定に基づく支援内容や避難所の衛生環境整備方法を説明する「避難所運営訓練」も開いた。災害や大規模事故時の避難所運営で、衛生環境整備の具体化が進む公算が大きい。
協定は、災害や大規模事故等が発生した際に、市町村が運営する避難所等の衛生環境整備を京都府が支援する枠組みとなる。全国にあるダスキンが保有するレンタル資機材や衛生サービスを活用する点を柱に据え、被災者の命と健康を守ることを目的に掲げる。京都府から要請を受けた場合にダスキンが可能な限り供給に努める内容で、ダスキン レントオールが2022年7月に開始した「防災サポートサービス」以降、各地で進めてきた自治体との協定締結の流れが一段と広がった形だ。
協定は101自治体に
「防災サポートサービス」開始以降、ダスキンは全国の自治体との協定締結を推進してきた。今回の京都府との協定により、協定を締結した自治体数は101に達した。京都府内では、市町村職員および関係者を対象に訓練を実施し、協定に基づく支援内容と衛生環境整備の方法を共有した。
避難所運営訓練では、ダスキン レントオールが提案する衛生環境配慮型避難所を体育館内に開設。避難生活での衛生課題を踏まえたスペース区分や、感染対策を考慮した動線設計、トイレ・手洗い設備の衛生維持方法、要配慮者に対応した専用スペースの設置などを、実践型の展示として示した。参加者からは、トイレを含む避難所設備の具体的な運用方法を学べたとの声が上がった。
協力内容には、避難所等で必要となるレンタル資機材の提供と、清掃・消毒作業などの衛生サービスの提供が盛り込まれた。パーティションテントなどの仕切り資材のほか、仮設トイレ関連機材や清掃・消毒のノウハウを活用し、避難所の衛生水準の底上げを図る。
ダスキン レントオール事業は1978年に始まり、イベント総合サポートと各種用品レンタルを手がけてきた。大規模イベントで培った動線設計や衛生管理の知見と、全国ネットワークを背景に、2022年7月に「防災サポートサービス」を立ち上げ、自治体との協定締結を加速させている。京都府との連携でも、資機材提供と衛生サービスの一体運用により、災害時の避難所機能を確保する狙いが強い。
防災関連の物品・役務は、公的調達の対象としても整理が進んでいる。避難所の衛生環境整備も、資機材の確保に加え、清掃・消毒作業などの役務をどの主体が担うかが運用上の焦点となりやすく、官民の役割分担を協定で定める動きが広がりつつある。
要請起点で支援判断
協力要請から支援までの流れは、京都府による協力要請を起点に、提供場所(避難所等)の指定、在庫状況や対応可否の回答、協力事項の連絡を経て、レンタル資機材および衛生サービス等を提供する手順とした。提供場所の指定にあたっては、ダスキンが必要に応じて再委託する形も含む。費用は協定に基づいて支払う。
京都府の西脇隆俊知事は、避難所の設置に関してパーティションテント等の資機材や清掃・消毒作業などのノウハウをダスキンが持つ点を評価し、「訓練等の機会を通じて、一層連携を深めたい」と述べた。ダスキンの取締役COOの江村敬一氏は、自治体との連携を一層強化し、災害時の衛生環境の確保に貢献する考えを示した。
協定により、京都府の要請を起点に提供場所を指定し、在庫状況や対応可否の回答を挟んで提供に至る流れが正式に組み込まれた。自治体側の調達・委託実務では、要請から提供までの連絡手順や、必要に応じた再委託を含む運用整理が今後の論点となる。ダスキンは、これまで積み上げてきた自治体協定に京都府を加えることで、防災・減災分野での官民連携の裾野を広げる構えだ。
