DTアクシス株式会社(東京都渋谷区)と富士通株式会社は、研究開発機関や医療機器の開発提供を行う企業、製薬企業向けに、プログラム医療機器(SaMD)の承認申請や販売を見据えた製品開発に関する覚書を締結し、9日に協業を開始した。開発初期から製造販売後の運用保守までを見据えた体制構築の支援を掲げ、開発の品質とスピードの向上につなげる。
両社は、「研究成果や技術を規制要件に適合させ、医療機器としての製品化まで横断的に行えるシステム設計・開発体制の構築」を支援対象に据える。富士通は医療分野の業務知見やシステム開発ノウハウを活用し、SaMDおよび周辺システムの開発、製造販売後のシステムの運用保守などを担う方針だ。DTアクシスは、医療機器製造を富士通に委託する枠組みの下、SaMDの製造販売承認取得の実績を踏まえ、承認申請や販売を見据えた設計・開発・運用がより円滑に進むよう支援する。
9日付で協業開始
今回の協業は、覚書の締結を経て9日に開始した。支援対象は研究開発機関や医療機器の開発提供を行う企業、製薬企業とし、開発初期から製造販売後の運用保守までを見据えたシステム開発体制の構築支援を打ち出した。治療用アプリやAI画像診断をはじめとするSaMDについて、研究成果や技術があっても規制要件への適合と製品化までを横断的に担う体制づくりが課題だとの認識を示し、設計から運用までをつなぐ支援枠組みを提示した。
SaMDは診断・治療・予防に用いられるソフトウェアで、国内では薬機法上「プログラム医療機器」として位置づけられている。医薬品医療機器総合機構(PMDA)が有効性・安全性を審査する枠組みの下、医療機器としての製品化に必要な要件に沿った開発や申請実務が論点になりやすいとされる。実臨床では、CTやX線、内視鏡画像などを解析し病変候補の提示や注意喚起を行う画像診断支援AIが、PMDA承認を受けたSaMDとして使用されている例もある。
富士通が開発・保守担う
役割分担では、富士通がSaMDと周辺システムの開発を担い、製造販売後のシステムの運用保守も行う方針を示している。要望に応じて、健康医療情報管理基盤「Healthcare Personal service Platform」を提供する。DTアクシスは、医療機器製造を富士通に委託する枠組みの下で、SaMDでの製造販売承認取得の実績を踏まえ、承認申請や販売を見据えた設計・開発・運用がより円滑に進むよう支援する。
両社は、研究開発機関や医療機器・製薬企業向けのSaMD開発支援に加え、SaMD流通プラットフォームの構築の検討を進めていくとしている。支援対象に掲げた「研究成果や技術を規制要件に適合させ、医療機器としての製品化まで横断的に行えるシステム設計・開発体制の構築」に関し、開発初期から製造販売後までの工程を一体で見据えた支援の枠組みを提示し、SaMDビジネスの実装プロセスを可視化する狙いを打ち出した。
運用面では、富士通が開発から製造販売後の運用保守まで担う方針を示し、DTアクシスは承認取得の実績を踏まえた申請・販売を見据えた設計・開発・運用支援を担う構図となる。取引管理の観点では、医療機器製造を富士通に委託する枠組みと、運用保守を含む役割分担に沿って、開発工程から製造販売後までの作業範囲をそろえる運用が焦点となる。両社は、研究開発機関など向けのSaMD開発支援と流通プラットフォーム検討を並行して進め、国内のプログラム医療機器エコシステムの形成を加速させる構えだ。
