株式会社NTTドコモと日本電気株式会社は、アマゾン ウェブ サービス上に商用の5Gコアネットワーク(5GC)を構築し、26日から国内で初めて商用サービスを開始した。併せて、NTTドコモビジネス株式会社と株式会社NTTドコモソリューションズ株式会社と、ハイブリッドクラウド環境におけるAIとGitOpsからなるAgenticAIを活用した5GCの設計・構築の自動化にも取り組んだ。これにより、需要変動時の容量拡大を迅速化し、突発的なイベント時の運用の柔軟性を高める狙いがある。
今回の商用5GCは、ドコモの自社仮想化基盤とAWSを接続したハイブリッドクラウド環境で動作させる構成をとる。ネットワークの柔軟な配備や信頼性の向上を目的に、AWS上で5GCを構築し、トラフィックが急増する局面でも容量を柔軟に増やす運用を可能にする考えだ。
構築期間を約80%短縮
数値面では、GitOpsとAIを活用した設計・構築の自動化により、5GCの構築期間が短縮された。ドコモの商用コアネットワーク装置が、自社仮想化基盤上で動作しているという。加えて、AWS Graviton2上で動作する5GCの省電力効果の検証では、電力消費量が削減されることを確認したとしている。商用環境ではAWS Graviton3上に5GCを構築している。
ドコモとNECは、2022年3月からAWSを活用し、ハイブリッドクラウド上で動作する5GC装置の技術検証を進めてきた。AWSとドコモの自社仮想化基盤の5GCを協調動作させ、通信事業者での活用を見据え、可用性や運用性の検証を実施した。ネットワーク設計やセキュリティ設計も考慮した二つの基盤の接続に課題があったが、技術検証の中で克服し、ハイブリッドクラウド環境で5GCが問題なく動作することを確認したという。
この技術検証で得た構成を基に、商用環境で必要な耐障害性や冗長設計を実装し、自社仮想化基盤とパブリッククラウドを組み合わせた環境を実現した。環境構築では、ドコモが要件定義や設計方針の策定、ハイブリッドクラウド構成の実現方式の検討を実施した。NECはAWS上での構築に向け、Infrastructure as Code(IaC)およびCI/CDを前提とした構築・運用モデルの確立を目的に、AWS CloudFormationやAWS CodeBuild、AWS CodePipelineなどのAWSマネージドサービスを取り入れた形でアーキテクチャ全体を再設計した。
役割分担と運用設計
商用5GCの構築では、ドコモが要件定義や設計方針の策定、ハイブリッドクラウド構成の実現方式の検討を担った。NECはAWS上での構築に向け、IaCとCI/CDを前提に、AWS CloudFormationやAWS CodeBuild、AWS CodePipelineなどを取り入れた構築・運用モデルの確立に向けて、アーキテクチャ全体を再設計した。
設計・構築の自動化では、ドコモがGitリポジトリを中心とした宣言的な運用管理アーキテクチャであるGitOpsを、NTTドコモソリューションズ株式会社とともに実装し、パブリッククラウド上の基盤・ネットワークから5GCまでの構築自動化を実現した。NTTドコモビジネス株式会社は5GC設計構築の自動化とAgentic AIの開発を担い、NTTドコモソリューションズ株式会社はGitOpsにおけるAWS基盤部分の実装および動作検証を実施した。さらに、設定値の設計などの人的作業を削減するため、Amazon Bedrock AgentCoreやModel Context Protocol(MCP)を採用し、GitOpsと統合したアーキテクチャを構成した。
ドコモは、突発的なイベントでネットワーク需要が増大した場合に、自社仮想化基盤に加えてAWSのクラウド上にも5GCを構築し、容量を迅速に拡大し、不要になれば縮小するといった運用を想定している。
