大日本印刷株式会社(東京都新宿区)は、株式会社USEN-ALMEX(東京都品川区)と連携し、デジタルパスポートを活用したホテルDXの実証実験を始める。ソラーレ ホテルズ アンド リゾーツの協力の下、ロワジールホテル 品川シーサイドで2026年1月20日に開始し、3月からはUSEN-ALMEXのオンライン事前チェックインサービス「PreCheck-in」を導入するホテルでも順次実施する。KIOSK端末とデジタルパスポートを連動させた次世代型チェックインの有効性を検証する狙いだ。
訪日外国人旅行者数が過去最高を更新する中、ホテル現場ではパスポート確認や宿泊者名簿作成への対応が課題となっている。国際民間航空機関(ICAO)が2028年までの導入を推奨する国際標準「デジタル渡航認証(Digital Travel Credential)」の実装が進む中、DNPとUSEN-ALMEXは本人確認工程の効率化を図り、省人化と利便性向上を両立する運用モデルを検証する。DNPは情報セキュリティの高度化を事業領域としており、USEN-ALMEXはホテル向け自動精算機で国内トップシェアを持つ。
2026年に都内ホテルで実証
実証実験は2段階で構成される。第1フェーズは2026年1月20日にロワジールホテル 品川シーサイドでプロトタイプのKIOSK端末を用い、対面での本人確認技術を検証する。第2フェーズは3月から6月にかけ、PreCheck-in導入ホテルで非対面チェックインの照合速度や運用性を評価する。DNPは認証技術と暗号鍵管理、KIOSK連携API設計を担当し、USEN-ALMEXはデジタルパスポート対応端末とPreCheck-inシステムの開発を担う。
DNPが認証基盤を提供
DNPの「分散型ID管理プラットフォームCATRINA」は、国際標準に準拠した暗号技術を用いたデータ管理機能を備える。これにより、デジタルパスポートの真正性確認や各国の個人情報保護基準への適合性を確保する仕組みが導入される。USEN-ALMEXのシステムと連動させることで、宿泊者名簿作成や本人確認を自動化し、繁忙期や深夜帯の業務省力化を実証する計画だ。
再販や拡張の予定については明示されていない。
DNPは「CATRINA」によるデジタルアイデンティティ技術を提供し、API設計やUI設計などシステム連携の技術支援を行う。ソラーレ ホテルズ アンド リゾーツは施設提供と運用フローの協力主体として参加し、ホテル現場における操作性の評価を担う形だ。
運用面では、対象ホテルを「PreCheck-in」を導入済みの施設に限定しており、宿泊者が事前登録した内容をKIOSK端末で照合する仕組みを前提とする。対面・非対面の双方で本人確認を実施する。
将来的なサービス拡張は検証結果を踏まえて両社で検討するとしている。
両社は今回の成果を2026年2月開催の「第54回 国際ホテル・レストラン・ショー」で展示する予定であり、ホテル業界の省人化ニーズに対応した新技術として紹介する。検証結果を踏まえ、DNPの持つ情報セキュリティ基盤とUSEN-ALMEXのホテル設備開発が連携したDX推進における具体的検証事例となる見込みだ。