第一三共ヘルスケアダイレクト(東京都中央区、八重樫宏志社長)は2025年12月9日、リゲインブランドから機能性表示食品「リゲイン健脚アシスト」を発売することを明らかにした。中高年層を中心に「歩く力」と「ひざ本来の力」をサポートすることを目的とし、日本初の独自配合を採用したサプリメントとして投入する。健康寿命の延伸を意識した製品展開であり、一般消費者の足腰ケア市場の拡大を見据えた動きとみられる。
第一三共ヘルスケアダイレクトは、ライフサポート型ブランドへの転換を進めており、リゲインシリーズは従来のエナジードリンクから生活支援型商品群へとシフトしている。「健脚アシスト」は、高齢化の加速と歩行能力の維持課題を背景に開発されたもので、運動時のひざ負担を軽減し、日常動作の快適化を目指す。研究レビューで一定の効果が確認された関与成分を組み合わせ、科学的根拠の提示によって信頼性を重視した設計が特徴だ。
3成分の独自設計で歩行支援を強化
新商品では、クルクミン、タマリンド由来プロアントシアニジン、非変性Ⅱ型コラーゲン(酵素分解水溶化コラーゲンペプチド)の3つの機能性関与成分を配合した。これらはひざ関節の柔軟性を高め、一定時間の歩行速度維持や階段昇降動作を助ける作用が報告されている。臨床的なレビューでは、35〜70歳の健常成人を対象にした試験において、摂取群が歩行速度や距離で改善傾向を示したとされる。研究結果の一部は国際学術誌に掲載されており、同社は「科学的根拠に基づく機能性食品」として消費者庁に届け出を行っている(届出番号J912)。
同社によると、配合比率には特許(特許第6937687号)が適用されており、厳選した原料を日本初の配合設計で調整した点も特徴だという。天然由来成分を中心に構成し、継続摂取によりひざ関節の可動域を広げ、階段の上り下りやしゃがむ動作など、日常的な動きの円滑化を支援できると説明している。医薬品ではなく食品に位置づけられるが、科学的エビデンスの積み上げで信頼確保を図る狙いがある。
リゲインブランドの進化と市場戦略
リゲインブランドは1988年に登場し、「24時間戦えますか。」の印象的な広告で知られた。当時はビジネスパーソン向けの栄養ドリンクが中心だったが、その後30年以上にわたり社会構造や健康意識の変化に対応してきた。近年は「カラダをつくる、明日をつくる」を新たなメッセージに掲げ、体力維持と生活機能サポートを重視する製品体系を広げている。エナジー補給から身体機能の維持・回復へと軸を移す戦略により、働く世代からシニア層までをカバーするライフサポート型ブランドへ転換を進めてきた。
同社は第一三共グループの一員として、製薬領域で培った研究知見を日常のヘルスケア商品開発に応用している。中高年を対象にしたひざ関節ケア製品は他社も展開しており、関節機能の改善や歩行支援を訴求する市場は年々活発化している。リゲインブランドが培った知名度と成分の独自性を組み合わせることで、既存市場との差別化を狙う構えだ。
サプリ市場拡大が後押し
国内の機能性表示食品制度は2015年に導入されて以降、消費者の科学的裏付けを求める傾向が強まっている。歩行支援関連のサプリ市場も拡大を続けており、特に中高年層では運動機能の低下予防に対する関心が高い。第一三共ヘルスケアダイレクトは通信販売やデジタルチャネルを通じて製品を提供し、自宅での健康維持を促す需要を取り込む方針だ。競合他社が筋肉サポートや骨密度維持成分に焦点を当てる中、今回の製品は「歩行速度」「階段昇降」といった行動指標に踏み込んだ機能訴求を行う点が特徴的だ。
日本では高齢化が進み、要介護予防や自立支援の観点から「歩行能力維持」が重要なテーマとなっている。自治体もフレイル対策を進める中、食品・医薬品・フィットネス産業の連携機運が高まりつつある。機能性表示食品の競争が激化するなかで、エビデンスの質や継続利用の安全性が評価指標となる傾向にあり、同社のように臨床データを基に届出を行う動きは、今後の業界の方向性を示すものといえる。
今後の挑戦と展望
同社では、健脚アシストの発売を契機にリゲインブランドの領域拡大を進めて、日常生活での身体機能維持を支援する新カテゴリーを確立する考えだ。今後は利用者の継続データや評価をもとに、成分配合や飲用形態の改良を検討するとみられる。ただ、機能性表示食品は「疾病の治療や予防を目的としない」立場にあるため、表現には一定の制約が伴う。科学的根拠を保ちながら、利用意義をわかりやすく伝える情報発信が課題となるだろう。
業界関係者の間では、第一三共ヘルスケアブランドの信頼性と、歩行・関節分野への新規参入タイミングが注目されている。発売後の販売動向や再購入率が、今後のラインアップ拡充の鍵を握るとみられる。高齢化が一段と進む中で、科学的根拠を備えたセルフケア製品の需要は拡大が続く可能性が高く、同社の取り組みが市場動向を左右するかが焦点となりそうだ。