クリーク・アンド・リバー社(4763)は3月26日、26年2月期の連結業績予想と配当予想を修正した。連結経常利益は従来予想から下方修正し、連結最終利益は上方修正した。影響範囲は通期の利益計画と期末配当の見通しに及び、会社側は修正内容を公表しており、収益構造と投資タイミングの読み替えが必要になる。
同社は26年2月期の連結経常利益予想を50億円から48.8億円へ2.4%下方修正した一方、連結最終利益予想は32億円から41億円へ28.1%上方修正した。ゲーム分野で将来成長に向けたクリエイティブスタジオ機能の増床・拡張を前倒しし、期初計画にない先行費用が営業利益・経常利益を押し下げる。最終利益は税金費用の減少や補助金の交付決定に伴う特別利益計上が上振れ要因となり、同社の通期見通しの位置づけは「利益段階ごとの要因が分かれる業績修正」となる。
経常48.8億円へ下方修正
26年2月期の連結経常利益は48.8億円となる見通しで、前の期の36.9億円からは増益を維持するものの、増益率は従来見通しの35.4%増から32.1%増へ縮小する。会社側は、主要なクリエイティブ分野(日本)および医療分野を中心に業績が順調に推移した
一方、ゲーム分野での投資前倒しに伴う一部先行費用が利益面に影響したと説明した。
下方修正後の通期計画に基づく試算では、9-2月期(下期)の連結経常利益は従来予想の28.8億円から27.6億円へ4.2%減額となる。前年同期は14.2億円で、増益基調は続くが、増益率は従来計算の2.0倍から93.7%増へ縮小する計算になる。
利益率よりも体制拡張のタイミングが業績に反映された格好だ。
最終利益41億円へ上方修正
一方で、通期の連結最終利益は41億円となる見通しに引き上げた。前の期の22.5億円からの増益率は従来見通しの42.2%増から82.1%増へ拡大し、従来の「3期ぶりの過去最高益」予想をさらに上乗せした。会社側は、高橋書店グループの株式取得時に計上した税金費用の減少が見込まれることを要因の一つに挙げた。
加えて、連結子会社の株式会社コネクトアラウンドが、経済産業省の「自立・帰還支援雇用創出企業立地補助金」619,229千円の交付決定を受け、特別利益を計上することになった点も最終利益の押し上げ要因となる。
利益段階別にみると、営業利益・経常利益は先行費用で下押しされ、最終利益は税金費用の見込みと特別利益の計上で上振れする構図が鮮明になった。
高橋書店5社も売上押し上げ
業績の上振れ要因として、同社は主要なクリエイティブ分野(日本)と医療分野の堅調さに加え、2025年3月に連結子会社化した株式会社T&Wオフィスを持株会社とする高橋書店グループ5社の好調を挙げた。これにより、売上高は期初に発表した予想を上回る見通しだという。
今回の業績修正は、事業の伸長と投資前倒しが同時に進む局面で、損益計上の段階によって結果が分かれた形になる。
背景には、業容が拡大しているゲーム分野で、将来へのさらなる成長に向けた機能拡張を前倒しした判断がある。
期初には計画していなかった増床・拡張を進めた結果として、当連結会計年度に一部先行費用が発生し、営業利益・経常利益の下振れにつながった。投資の前倒しは運用・コストの両面で当期の利益計画に影響し、補助金の特別利益計上など一過性の要素とあわせ、通期の利益構成を読み解く必要がある。
期末配当を50円へ増額
同社は、期末一括配当を従来計画の45円から50円へ増額修正した。
前の期は41円だった。利益還元について同社は、株主価値の向上と株主に対する利益還元を重要な経営課題と位置づけ、内部留保とのバランスを考慮しつつ、連結配当性向30%水準を基本方針としているとした。
今回の配当修正では、親会社株主に帰属する当期純利益予想から、経済産業省の自立・帰還支援雇用創出企業立地補助金による影響額を控除した金額に基づいて配当予想を見直した。
業績予想は現時点で入手可能な情報に基づく判断で、潜在的なリスクや不確定要素により実績が予想値と異なる可能性があると説明している。業績修正・配当増額は、ゲーム分野の投資前倒しと補助金・税金費用の見込みが同時に作用した局面での、利益段階別の変動を示す動きとなった。
