株式会社コンヴァノ(東京都渋谷区)は、子会社の株式会社DataStrategyを通じ、医療機関顧客向け信販会社に対するAIスコアリング事業を開始する。あわせて、株式会社オルトプラスとの間で業務提携の基本合意を結んだ。自由診療を中心とした高額医療サービスにおける分割払いニーズの拡大を踏まえ、与信審査支援や不正検知機能を含むAIモデルを提供する。
信販会社での審査負荷や法制度対応の高度化が進む中、コンヴァノはこれまで自社顧客である医療法人からのデータを統計解析し、与信判断の精度向上を図ってきた。この動きを本格事業化し、金融インフラ領域への参入を進める方針だ。なお同事業はグループの新設子会社DataStrategyが担い、既存のシステム基盤や人員を活用する。オルトプラスとは開発や販売の共同推進に向けた検討を進める。
AI審査支援を医療機関へ提供
AIスコアリングでは、申込属性や医療メニュー特性、支払計画などを総合的に分析し返済確度や延滞確率を推定する。医療ローン特有の契約特性にも対応するモデルを用い、信販会社の審査・回収を支援する仕組みを構築する。これにより、DataStrategyが医療機関を対象とする信販会社向けにスコアを提供する事業形をとる。
コンヴァノはネイル事業を中核にヘルスケア領域を拡大しており、医療分野のDX支援を担う子会社も運営している。今回のAI審査支援は、事業ポートフォリオ再構成後の成長領域として位置付けられる動きだ。
子会社DataStrategyが運用担う
AIスコアリング事業の担当は、2025年設立の新会社DataStrategyが担う。既存の顧客基盤データを匿名加工した上で解析に利用し、モデル劣化や偏りをモニタリングしながら再学習を行う設計を示している。オルトプラスとの基本合意では、AIスコアリングの共同開発と販売に加え、医療ローン領域の共同検討、資金提供に関する協議、登録事業者の買収を含む体制整備までを協議範囲に含める。
事業開始段階では審査や回収といった金融実務は登録個別信用購入あっせん事業者または貸金業登録事業者が担う予定であり、コンヴァノ側は医療機関との接点やマーケティング機能を中心的に担う形をとるとした。2026年3月期の業績影響は限定的としている。
AIスコアリング提供について、再販計画などの詳細は明示されていない。DataStrategyは既存リソースを活用するため、外部製造委託等の記載はない。モデルの改善はモニタリング結果に基づき継続的に実施する構想だ。
今回のオルトプラスとの連携は基本合意段階であり、今後の具体的な実行工程は両社間協議に委ねられている。金融事業者側の実務を前提としており、法制度面での事前確認手続を含む運用条件が設定される想定である。医療ローン領域におけるAI活用の範囲を具体化する点が運用上の注目点となる。
コンヴァノでは、ヘルスケア・AI・投資の3領域を主軸とする再構築を進めており、今回の提携もデータ戦略分野を補強する位置付けの動きとなる。