コカ・コーラ ボトラーズジャパン株式会社(東京都港区)は、緑茶製品の価格を2026年3月1日出荷分から改定すると発表した。綾鷹ブランドの一部を除く製品を対象に、メーカー希望小売価格を6.3〜12.1%引き上げる。値上げは全販売チャネルで実施する。
同社は、緑茶製品を製造・販売する主要ボトラーとして、茶葉や資材、エネルギー価格の上昇が経営を圧迫している状況を踏まえた対応と説明した。製造効率化などの企業努力では吸収しきれないコスト増が続く中、安定供給と品質維持を優先し価格を見直す。今回の改定は飲料分野で進行するコスト転嫁の一環と位置づけられる。
綾鷹ブランドが対象、出荷ベースで実施
対象は「綾鷹」ブランドの緑茶製品で、一部商品を除き出荷ベースで改定が行われる。改定率は6.3〜12.1%とし、製品カテゴリや流通コスト構造に応じて幅を持たせる。販売チャネルは自動販売機、コンビニエンスストア、量販店など全体を含む。価格改定は単発ではなく、持続的な原価上昇に対応するための中期的施策とみられる。
同業の赤城乳業も、2026年3月1日出荷分から一部アイス製品の価格を引き上げると発表しており、飲料・食品業界全般でコスト上昇を販売価格に転嫁する動きが広がる。
物流費や人件費、資材費の上昇が依然として企業経営を圧迫しており、今回の改定はこうした潮流に沿った判断といえる。
国内飲料市場で続くコスト増圧力
背景には、原材料と資材、エネルギー価格の高騰に加え、為替相場の変動による輸入コスト増がある。緑茶生産に不可欠な茶葉価格も高騰傾向を続けており、これを受けて飲料メーカー各社は価格維持が難しい局面にある。
Report Ocean社によると、日本のパッケージ飲料市場全体では持続可能なパッケージ素材導入や物流コスト増が製造コストを押し上げており、特に緑茶など健康志向飲料の調達負担が増している。
パッケージ飲料市場は年平均3.09%の成長が見込まれており、健康志向や環境配慮の需要拡大が背景にある
一方、バイオ素材導入やリサイクル対応などの政策的コストが短期的な収益圧迫要因となっている。資材高と為替変動が重なる環境下で、価格転嫁を伴う適正コスト運営が企業課題として浮上している。
環境連携や地域活動も進展
同社は価格改定とは別に、資源循環や地域貢献活動も強化している。12月には佐賀県から森林・林業・緑化功労者として表彰され、鳥栖、基山両工場周辺の森林保全で成果を評価された。
さらに、さいたま市と連携して2026年2月開催の「さいたまマラソン2026」でPETボトルの水平リサイクル「ボトルtoボトル」を継続実施する方針を示した。
これらの活動は、飲料容器の循環利用を軸とした持続可能な事業運営の一環である。
同社は「安全・安心で付加価値の高い製品を提供し続ける」としており、環境対応とコスト管理を両立させる体制を整えつつある。
緑茶ブランド「綾鷹」では、国産茶葉を使用した製品が主流で、宮崎県など国内工場での製造を通じ地域経済にも波及している。
中長期的視点での価格転嫁が焦点
2026年3月出荷分の価格改定は、業界で続くコスト上昇局面への対応とみられ、他の飲料・食品メーカーの動向にも影響を及ぼす可能性がある。
製品コストの高止まりが続くなか、メーカーごとの調達方針や販売網の見直しが進む見通しだ。経営安定の観点からも、今回の値上げは中長期的な価格政策転換の一例といえる。