国内の大手企業向けにAI(人工知能)ソリューションを提供するシナモン(東京・千代田)は、東京国際フォーラムで開催される「AI博覧会 Spring 2026」に出展する。会期は4月7~8日の2日間で、独自の高精度RAGシステム「Super RAG™」と、生成AIを搭載したAI-OCRプラットフォーム「Flax Scanner HUB」の展示とデモンストレーションを行う。
「AI博覧会 Spring 2026」は最新AIツールの展示に加え、業界のリーダーによる基調講演やカンファレンスを通じて、AI導入の事例や戦略を提示する総合展示会だ。出展社は100社、展示製品は約200点以上、講演は40件以上とされ、バックオフィスを含む業務領域ごとのAI活用を比較検討できる構成となる。会場ではフィジカルAIやAIオペレーターなどの展示も予定されており、来場企業が自社の導入方針を検討する場としての機能を強める。
非構造化データを起点に訴求
シナモンのブースでは、表や図を含む複雑なドキュメント解析を打ち出す「Super RAG™」と「Flax Scanner HUB」を並べ、文書の探索からデータ化までを一体で提案する。展示内容は、文書を起点にした各種業務での利用を想定した構成とし、来場者には両製品の機能と連携イメージを具体的なデモを通じて提示する。
「Super RAG™」は、表や図などを含む複雑なドキュメントを解析し、高精度な回答を生成する大規模言語モデル(LLM)をノーチューニングで構築できるとする独自RAGシステムだ。文書内コンテンツ単位の関係性を用いたグラフデータベース検索を特徴とし、ユーザーインターフェース(UI)やAPIベースで業務システムやアプリケーションと接続できる仕組みをワンストップで提供する。
「Flax Scanner HUB」は、さまざまなフォーマットの書類からAIが意味を理解してデータを読み取るAI-OCRプラットフォームだ。座標定義型、特徴量学習型、生成AI抽出型の3種類のAIエンジンを搭載し、請求書や申込書など帳票の種類に応じた最適な方式でデータ化する。また、マルチテナント型に加え、シングルテナントやオンプレミス(プライベートクラウド)にも対応し、企業のセキュリティ要件やシステム構成に応じた導入を可能にしている。
シナモンは、非構造化データが企業の保有データの約8割を占める一方で、活用が進みにくいことがデータ戦略の課題になっているとみている。RAGとAI-OCRを同じブースで提示することで、紙・PDF・画像などの文書からのデータ抽出と、高度な検索・回答生成までを一連のプロセスとして提示し、非構造化データ活用の具体策を示す狙いがある。
協業パートナーの獲得も視野
同社はエンドユーザー企業に加え、システムインテグレーター(SI)やビジネス・プロセス・アウトソーシング(BPO)企業も含めたパートナー企業の拡大を掲げる。展示会場では、導入・運用の役割分担や、クラウド、オンプレミス、専用サーバー環境などの導入形態を踏まえた協業モデルについて、来場企業との実務的な擦り合わせを進める構えだ。
シナモンは2016年10月の設立。非構造化データを対象とするAIプロダクト事業とAIコンサルティング事業を展開してきた。ベトナム・ハノイとホーチミンには人工知能研究所を設置し、AI-OCR、自然言語処理、大規模言語モデル、音声認識などの技術資産を蓄積している。こうした研究開発体制を背景に、非構造化データ解析を軸としたプロダクト群を前面に打ち出し、展示会の場を通じて具体的な導入案件や協業機会の獲得を狙う。
