中外テクノス株式会社(広島県広島市)は、スウェーデンのExcillum ABと戦略的パートナーシップを締結した。日本国内で初めて、Excillumの高輝度X線源「MetalJet F」を搭載した評価テスト環境を構築し、バッテリー製造市場を中心に、インラインでの高速・高解像度な3D/2D X線検査ソリューションの提供を本格化する。
中外テクノスは、国内初の評価環境を通じて「MetalJet F」を用いたデモンストレーションを行い、高輝度X線源による2Dおよび3Dでの内部観察の高速化を前面に打ち出す。日本国内で事前評価から装置の構想提案、設計・製作、アフターフォローまでを一貫して担う体制を整える。
26年Q2にデモ開始
中外テクノスは国内に評価テスト環境を構築し、2026年第2四半期よりデモンストレーションを開始する計画だ。適用先はバッテリー製造市場を主軸としつつ、電子部品、自動車部品、精密機器など幅広い分野を見込む。評価テスト環境で用いるX線源は「Excillum MetalJet F」で、30〜160kV/10mAの仕様を掲げる。
評価拠点を国内に置くことで、導入前の検討段階から装置の構想提案、具体的な設計・製作、導入後のアフターフォローまでを一体で進める。検討手順を国内で一本化し、利用企業ごとの要件に応じたシステム構成を詰めやすくする狙いがある。
バッテリー製造では、生産能力の拡大と安全性確保、歩留まり改善が世界的な課題となっている。中外テクノスは35年以上にわたり、自動車、航空機、ロケットなど向けにX線検査システムを提供してきた実績を持つ。産業プラントや社会インフラ、原子力施設向けにも検査装置やロボットの設計・製造を手がけており、これらのノウハウをバッテリー製造分野にも横展開する。
市場環境では、国際エネルギー機関(IEA)のデータで世界のEVバッテリー市場規模は2024年に約1,200億ドルとされる。産業用X線検査装置市場は2023年に約15億ドルで、2030年には30億ドルへの拡大が予測されている。バッテリーや電子部品が成長ドライバーとなる中、欧州では2024年にZeissがEVバッテリー向けのインライン3D X線検査システムを工場へ納入しており、高輝度X線源を活用したスループット向上の取り組みが進んでいる。
中外が国内一貫対応
役割分担では、中外テクノスが日本国内での事前評価、装置の構想提案、設計・製作、アフターフォローまでを一括して提供する。評価テスト環境は「MetalJet F」を搭載し、デモンストレーションを通じてユーザー企業に具体的な検査性能やライン適用イメージを提示する。Excillumは2007年設立で、高輝度X線源の開発・製造を手がけ、MetalJet技術に関する複数の特許を保有する。
対象分野はバッテリーのほか、電子部品、自動車部品、精密機器など多岐にわたる。競合動向としては、Nikon Metrologyが日本市場でX線CTシステムを展開しているほか、Comet Group傘下のYXLON Internationalが自動車部品向けでインライン3D対応の強化を進めるなど、装置・部材サプライヤー各社がインラインX線検査の高度化に向け提携や製品強化を加速している。
