RIZAPグループが運営するコンビニジム「chocoZAP」が17日、シンガポール1号店「chocoZAP Orchard店」をオープンした。シンガポールを起点に、マレーシア、タイ、ベトナムなど周辺諸国へ事業を拡大する方針を示した。新店は中心地オーチャード・ロードに構え、現地住民と観光客の利用を想定する。
「chocoZAP Orchard店」は、海外展開で先行する香港市場の展開をモデルケースとし、日本と同様の「低価格・多機能・24時間営業」のコンセプトを軸に据える。シンガポールを東南アジア全域のゲートウェイ(基幹店)とし、商業エリアでの利便性を打ち出す狙いだ。RIZAPグループにとって、国内で展開してきたコンビニジムのビジネスモデルを海外へ横展開する取り組みとなる。
国内1862店・111.3万人
「chocoZAP」は2022年7月にスタートし、運動にとどまらず「美容」「ライフスタイル」「エンターテインメント」などにサービス領域を広げている。国内は1862店舗、会員数は111.3万人(2026年2月12日時点)。開始から約3年半で黒字化を達成し、先行投資の回収を終えた。
海外展開では、先行して本格展開を進めてきた香港市場を「香港モデル」と位置づけ、アジア全域へ横展開する方針を掲げる。シンガポール1号店は、世界中から観光客が集まるオーチャード・ロードのオーチャードタワーズ1階に設け、24時間365日営業とした。東南アジア全域へのゲートウェイ(基幹店)として、周辺国展開のハブ機能を担わせる。
新店舗は、多くの人々が行き交う商業エリアに位置し、現地住民や観光客の利便性を追求する。健康意識が高いシンガポールで、既存ジムが取りこぼしていたとみる「運動初心者層」の潜在需要を、「chocoZAP」独自のマルチサービスで開拓していく考えだ。
香港市場では、日本と同様の「低価格・多機能・24時間営業」というコンセプトが受け入れられ、高い収益性を実現しているという。RIZAPグループは、香港での運営モデルをシンガポールに当てはめる形で、商業集積地に基幹店を構え、周辺諸国への拡大につなげる構想を描く。
背景には、アジアのフィットネス関連市場が拡大局面にあることがある。統計データでは、東南アジアのジム市場規模が2025年に150億USDと推定されている。シンガポールは人口比でジム利用が20%超とされ、都市部での健康関連サービスの受け皿が一定程度形成されてきた。一方でRIZAPグループは「運動初心者層」に照準を合わせ、ジム利用の経験が薄い層も含めた取り込みを図る。
直営とFCを併用運営
「chocoZAP Orchard店」では、香港で高い反響を得たとする「EMS」「骨盤サポートチェア」「ホワイトタンニング」など、海外店舗ならではの付加価値サービスを充実させていく予定だ。展開の軸は「香港モデル」の横展開であり、シンガポールの立地を東南アジア全域のゲートウェイ(基幹店)とする。
事業運営では、今後に向けて直営店とFC(フランチャイズ)展開を組み合わせた「二刀流」戦略を掲げ、創出されるキャッシュフローをグローバル投資へ充当していく方針だ。マレーシア、タイ、ベトナムなど周辺諸国への拡大を視野に入れるほか、国内では出店ポテンシャルを6,000店舗以上と想定し、短期間での多店舗展開を前提にした運営設計を進めてきた。
運営体制の面では、無人運営を支える仕組みづくりも並行している。2024年12月には「お店の状況わかるナビ!」(一覧Webページ)とQRコード管理(各マシン)を導入し、社員や会員によるセルフメンテナンスの推進を打ち出した。2022年6月にはDX子会社RIZAPテクノロジーズを設立し、体組成計やヘルスウォッチ、アプリでライフログを蓄積する体制も整備。海外展開でも、店舗運営を規格化しやすい仕組みを用いる。
RIZAPグループはシンガポール1号店の開業を起点に、周辺諸国への事業拡大を本格化させる構えだ。直営とFCの併用により資本効率と展開スピードの両立を図りつつ、香港・シンガポール両市場を足場に東南アジアでのプレゼンス拡大をめざす。
