株式会社ブロードリーフ(東京都品川区)は、従業員向けの株式給付信託制度を改定し、譲渡制限付株式を給付対象とする「株式給付信託(J-ESOP-RS)」へ移行することを決定した。2月12日に取締役会で決議したもので、現行の株式給付信託を見直す。新制度では、従業員に一定の期間譲渡制限を付した株式を給付する仕組みを導入し、社員の貢献度に応じて自社株式またはその時価相当額を信託を通じて給付する。
同社は、企業理念「感謝と喜び」の実現に向けて、従業員が挑戦し成果を上げるためのインセンティブ施策を継続的に検討しており、今回の改定もその一環となる。自社およびグループ会社の従業員を対象に、株価や業績と処遇の連動性を高めることで、従業員エンゲージメントの向上を図る方針だ。
みずほ信託銀行と連携して信託を設定
改定後の制度では、ブロードリーフとみずほ信託銀行株式会社(再信託先:日本カストディ銀行)が信託契約を締結し、従業員への給付に用いる株式を取得・管理する。信託財産は別途管理され、株式給付規程に基づきポイント制で給付内容が決定される仕組みだ。従業員が要件を満たして受給権を得ると、ポイント数に応じた自社株式または退職時の金銭給付が行われる。
信託期間を定めず継続運用
信託契約は2016年8月に開始された現行制度を引き継ぐ形で継続され、終了期日は設けずに運用が続けられる。従業員が在職中に自社株式の給付を受ける場合には、譲渡制限契約を締結し、退職までの間は譲渡や処分が制限されるため、給付された株式の扱いには一定の制約が加えられる。改定後の制度では、これらの取り扱い条件を明確化している。
信託の委託者はブロードリーフ、受託者はみずほ信託銀行であり、日本カストディ銀行が再信託受託者を担う。信託管理人が議決権行使を指図する体制をとる点も現行制度から引き継がれる。
ブロードリーフはモビリティ産業向けのクラウドサービスを展開しており、全国に営業拠点を持つ。今回の社員向け株式給付制度の改定は、同社が継続的に掲げてきた「人材への投資」と「企業価値の持続的成長」を両立させる取り組みの一つと位置づけられる。制度運用の主体は同社および信託銀行で構成され、譲渡制限契約の実施と信託管理を分担する枠組みとなっている。
今回の制度改定により、給付対象となる株式は信託財産として事前取得され、再信託と株式取得の方法が明示された。株式は取引所市場での取得または自己株式処分引き受けの形で取得される仕組みを採用し、再販予定などは現時点で明確にされていない。
今回の改定は2016年以降継続してきた現行信託の枠組みを維持しつつ、譲渡制限付株式の導入により従業員への付与条件を具体化したもので、人的資本への取り組みを制度面で補完する動きとなる。