株式会社ブロードリーフ(東京都品川区)は2月12日、2025年12月期の連結決算を発表した。売上収益は208億15百万円で前期比15.4%増、営業利益は20億63百万円と206.0%増だった。主力のクラウドサービスが好調で、自動車補修部品や業務ソフトウェアのサブスクリプション契約が拡大したことが要因だ。当期純利益は12億40百万円となり、前期比261.3%増を記録した。
同社は、パッケージソフトを利用する顧客のクラウドサービス『.cシリーズ』への移行を進めており、新規顧客の獲得も順調に進行した。これにより、クラウドサービスの割合が全体の収益構造を押し上げるかたちとなった。経営方針としては「クラウドの浸透」と「サービスの拡張」を掲げ、2028年までの中期経営計画の一環として推進している。
クラウド化でサービス構成変化
ブロードリーフのサービス別売上をみると、クラウドサービスが118億32百万円と前年同期比44.1%増となった。
パッケージシステムは56億99百万円で23.5%減にとどまり、クラウドシフトが進む中で旧来型ビジネスからの移行が顕著になっている。その他の事業では、PCなどのハードウェア販売が堅調で、売上は32億85百万円(37.7%増)と上向いた。
こうした構成変化により、全体の売上収益は20%近い伸びを示した。既存パッケージ顧客のクラウド切り替えが進行したことで安定した収益基盤が構築されつつあり、クラウド契約による継続収益が売上を下支えしている。特に自動車業界向けの受発注プラットフォームなどで利用料や手数料収入が増加し、サブスクリプション契約が拡大した結果となった。
IT投資増でも利益率改善
コスト面では、クラウド対象業種の拡大や機能追加に伴い減価償却費が増加したほか、インフラ強化費用も増えた。
ただし、営業や開発・管理業務で生成AIを活用し、コスト効率化を進めた。これにより、営業利益率は9.9%と前年の3.7%から大きく改善した。キャッシュ・フローも営業活動で68億97百万円を確保し、投資活動では44億9百万円を使用したが、積極的な開発と事業投資を維持している。
2025年末時点の資産合計は414億25百万円で前期比3.8%増、親会社所有者帰属持分比率は58.6%(前年58.0%)に上昇した。有形固定資産と無形資産の増加が寄与し、財務基盤は安定的に推移した。利益剰余金も前年より8億89百万円増加したことで、資本合計は242億93百万円と着実に積み上げている。
株主還元方針を強化
ブロードリーフは株主還元の基本方針を改定し、連結配当性向の目安を従来の35%以上から40%以上に引き上げる計画を示した。
年間配当金は6円(中間配当2.5円、期末配当3.5円)を実施予定で、前期実績の2円に比べて3倍となる。次期2026年12月期の配当は15円と大幅に増配を見込んでいる。
配当性向の引き上げは、安定的な利益成長と財務健全性を踏まえたうえでの判断であり、経営陣は内部留保と株主還元のバランスを意識している。
配当決定機関は、期中が取締役会、期末が定時株主総会である。
中期経営計画のもとで持続成長へ
同社は、中期経営計画(2022~2028年)において、クラウドシフトの完了を目標としている。
基幹業務ソフトのクラウド化を進めるとともに、社会インフラやモビリティ関連のデジタル連携を拡大し、プラットフォーム型ビジネスへの展開を強化している。こうした動きの背景には、国内IT市場でのクラウド利用拡大と生成AIを活用した業務効率化需要の高まりがある。
一方で、コスト増要因としてインフラ投資や導入支援の拡大が挙げられる。顧客のクラウド移行が加速するに伴い、一時的な運用負担が発生する可能性もあるが、同社はAI技術の活用や業務プロセス自動化で吸収を進める方針だ。競合企業によるクラウド戦略が進展するなか、差別化の成否が今後の注目点となる。
2026年は営業利益132%増を見込む
2026年12月期の業績予想では、売上収益235億円(前期比12.9%増)、営業利益48億円(同132.7%増)と堅調な伸びを見通す。
営業利益率は20.4%まで上昇する見込みで、引き続きクラウド契約の積み上げ効果が寄与するとみられる。クラウド利用企業の増加やサブスクリプション化の定着が通年寄与し、収益安定化の鍵を握る。
AIを活用した営業や開発の自動化を進めるほか、運用支援の強化でユーザーの利便性向上を図る。
同社は、企業のDX需要が旺盛に推移するなかで、システム更新やクラウド化の流れが今後も継続するとみている。これを受け、投資と成長の両立を目指した経営体制を維持する考えだ。
中期経営計画を軸としたクラウドシフトの進展が続くなか、同社はITサービス業界におけるサブスクリプション転換の典型例として、その動向が注目される。