株式会社BREXA Technology(東京都千代田区)は、株式会社ラクス(東京都渋谷区)が保有する株式会社ラクスパートナーズ(東京都新宿区)の株式を取得し、同社を完全子会社化する契約を結んだ。株式取得は2026年4月1日を予定しており、ITエンジニア育成分野での事業拡大を目指す。
BREXA Technologyは、IT人材サービス分野の拡充を図る目的で、ラクスパートナーズの全株式を取得する。ラクスパートナーズの強みである未経験者向けエンジニア研修と、BREXAが持つ営業ネットワークや採用基盤を組み合わせ、成長機会の提供と人材供給力の強化を狙う。今回の取引はBREXAグループ全体の人材成長プラットフォーム事業の一環であり、AIや機械学習など先端分野の育成力向上にもつなげる方針だ。
1万人規模の技術者基盤と教育ノウハウ融合
BREXA Technologyは、20年以上にわたって技術者派遣と業務請負を展開してきた。ITエンジニアリング分野では1万人規模の技術者が在籍し、国内トップクラスの体制を持つ。
今回の完全子会社化により、同社はこれまでの人材供給網にラクスパートナーズの研修ノウハウを統合し、未経験者が成長できる環境の整備を進める。
ラクスパートナーズは、2018年創業以来、IT人材事業を展開してきた。特に未経験者を短期間で育成する教育プログラムが特徴で、AIや機械学習分野の研修に強みを持つ。
BREXA側はこの領域をグループの成長ドライバーと位置づけ、新たな人材価値創出の仕組みづくりを進める構えだ。
人材不足を背景に事業拡大
背景には、国内で広がるIT人材不足がある。経済産業省の推計では、2030年に約45万人のIT人材が不足するとされ、企業のデジタル化対応に支障を及ぼすと懸念されている。
BREXA Technologyの山﨑高之代表取締役は「ITプロフェッショナル育成を通じて社会課題の解決に貢献する」とし、ラクスパートナーズの技術分野強化を通じて対応力を高める考えを示した。
BREXAグループは、製造やIT関連の人材サービスから成長してきた組織で、2024年時点で国内外216社、約12万6千人の従業員を抱える。売上高は約8,000億円で、人材サービス業界では国内3位、世界9位の規模を誇る。
人材育成を事業の中心に据え、20か所の研修施設で450を超える講座を展開し、若年層や外国人材のリスキリングを推進してきた。
B2B人材派遣の強化へ向けた再編
BREXAは、2025年にグループ全体のブランドを「アウトソーシング」から「BREXA」へ変更し、グローバル人材育成企業としての再編を進めている。今回のラクスパートナーズ完全子会社化は、その中核をなすIT人材領域の拡大策として位置づけられる。
新体制の下で、両社が持つ人材開発とマッチング力を融合し、より幅広い法人顧客への人材提供へとつなげる考えだ。
取引面では、BREXAが株式を直接取得し、ラクスは子会社株式の譲渡で経営資源を本体事業のソフトウェア分野に集中させる。ラクスパートナーズの事業運営はBREXAグループの管理下に移行し、IT教育分野における協働体制を構築する。
契約締結から完全移管までの期間は約2年を見込む。
デジタル人材育成の連携拡大が焦点
BREXAグループは「すべての『はたらく』に境界をなくす」という理念のもと、教育・就業・キャリア形成を一体で支援する仕組みの拡充を掲げている。
今回の完全子会社化は、国内のデジタル人材育成の底上げにつながる動きといえる。IT需要の高まりを背景に、同社の人材開発事業の拡大と企業のデジタルトランスフォーメーション支援が並行して進む構図が明確になってきた。
BREXA Technologyは今後も、未経験人材への継続的な就業機会提供を軸とした取り組みを強化するとしている。人材育成・派遣両面での連携深化が注目される局面に入った。