PILI Dog Studio(法人名:BMNMKS株式会社 所在地:東京都多摩・町田エリア)は、犬の個性を尊重し「じっとできない犬でも自然に撮影できる」セルフフォトスタジオをオープンした。完全予約制で、飼い主が利用時間内に自由に撮影する形式を採る。環境変化に敏感な犬やシニア犬も想定し、従来スタジオで撮影をためらっていた層の新たな受け皿となる可能性がある。
撮影者をスタッフではなく飼い主に置く運営設計を通じ、犬の動きや気分の変化に合わせやすい撮影体験を提供する点が特徴だ。PILI Dog Studioは「じっとできなくても大丈夫」をコンセプトに掲げ、床に近い目線での撮影や、おやつを使った自然な誘導など、犬に負担をかけない方法で撮影できる環境を整えた。BMNMKS株式会社にとっては、空間体験と写真を掛け合わせた価値提供をペット分野で具現化する取り組みとなる。
2ルーム予約制の設計
スタジオは完全予約制で、異なるコンセプトを持つ2つの撮影ルームを用意する。万華鏡のような幻想的な空間や、季節ごとに変化するセットなど、自宅では再現が難しい演出空間を設置した。日常の延長線上にある自然な表情と、非日常的な世界観を組み合わせた写真撮影を可能にする設計とし、予約枠ごとに利用者を区切ることで、撮影の場を共有することに伴う犬の緊張や刺激を抑える狙いも持たせた。
PILI Dog Studioは、「上手に撮ること」よりも「その子らしさを残すこと」を重視する。じっとできないことや自由に動き回ることも犬の個性の一部と捉え、無理に整えた写真ではなく、その瞬間の空気感ごと残せる体験の提供を掲げる。スタジオ名の「PILI」はハワイ語で「ご縁」を意味し、愛犬と過ごせる時間が限られているとの認識のもと、何気ない日常を未来に残すことに価値を見いだす。写真を通じて飼い主と愛犬の関係性をより深く記録できる場を目指す。
BMNMKS株式会社は、空間体験と写真を掛け合わせた価値提供を行う企業で、ペット分野では犬の個性を尊重し、飼い主と愛犬の時間を豊かにするサービス企画・運営を進めてきた。今回のスタジオ開業では、撮影の主導権を飼い主へ移し、犬の行動特性に合わせた運用へ寄せた点が特徴となる。セルフスタイルにより、犬が動き回る時間帯や落ち着く瞬間を飼い主が見極めながら撮影できるため、「撮影のために犬が静止する」形式から、犬の自然な動きを前提とする形式へ転換する。
市場環境では、ペットの“家族化”が進む中で、記念日や日常の節目に写真を残す需要が拡大しているとされる。一方で、従来の撮影スタジオは「じっとできる」ことを暗黙の条件としやすく、環境変化に敏感な犬やシニア犬にとって撮影のハードルとなってきた。こうした課題に対し、セルフ形式で「じっとできない犬」も対象に据える動きが広がり、同種のコンセプトを掲げるペット向けセルフフォトスタジオの事例も出ている。PILI Dog Studioは、動きやすさを個性として扱う設計を前面に出し、演出空間とセルフ撮影を組み合わせることで、従来層に加えて撮影をためらっていた層も取り込む運営モデルを提示する。
BtoBへ出張展開
BMNMKS株式会社は今後、ドッグイベントへの出張フォトブースの展開や、カーディーラー・商業施設などペット同伴来店が想定される施設へのフォトブース常設など、BtoB領域での展開を予定する。スタジオの貸出や企業とのコラボレーション、タイアップ企画にも柔軟に対応する姿勢を示している。完全予約制のスタジオに加え、出張フォトブースや常設フォトブースといった提供形態を組み合わせ、接点の多層化を図る。
運営モデルとしては、常設の撮影拠点を2ルームの予約制で運用し、別軸で出張ブースや常設ブースを展開する構えだ。出張ブースはドッグイベントという集客の場に合わせて提供し、常設ブースはカーディーラーや商業施設の来店導線に組み込む。BtoB側では、施設運営者が提供する来店体験の一部に撮影要素を加えることで、ペット同伴来店の受け皿づくりや滞在価値の向上につなげやすい。PILI Dog Studio側は、スタジオ運営で培った演出空間の設計思想を、出張・常設のブース形態に展開していく方針だ。
