BASE株式会社(東京都港区)は2026年3月、「YELL BANK(エールバンク)」の外部提供を開始した。まず3月25日、株式会社スマレジが提供するマルチ決済サービス「PAYGATE(ペイゲート)」との連携を始めるとしている。PAYGATE利用事業者はYELL BANKを通じ、リスクなくスピーディな資金調達が可能になる。これにより、決済サービス側に資金繰り手段が組み込まれる形となる。
YELL BANKは、プラットフォームサービスを利用する事業者の利用実績データをもとにAIが将来債権を自動評価し、事業者が将来の売上を“今すぐ”事業に活用できる仕組みだ。BASEは非金融事業者が自社サービス内に金融機能を組み込むエンベデッド・ファイナンスとして展開し、プラットフォームサービスに自然な形で組み込むことでスピーディかつ柔軟な資金調達の実現を掲げる。今回の連携では、スマレジが「PAYGATE」を利用する事業者向けに、データ直結型の資金調達サービス「スマレジ出世払い」として提供する。
2018年開始、提供先拡大
外部提供の開始時期は2026年3月とした。YELL BANKは2018年12月、BASEが運営するネットショップ作成サービス「BASE(ベイス)」のショップオーナー向けに提供を始め、2024年6月には提供実績を踏まえ、グループ会社のPAY株式会社が運営するオンライン決済サービス「PAY.JP(ペイドット ジェーピー)」の加盟店向けにも提供を開始してきた。
外部提供の対象は、決済、受注・発注管理、ECカート、POSシステムなど、ユーザーである事業者の利用実績データを有するプラットフォームサービスとした。BASEは、従来の金融機関の審査手法では十分に評価されにくかったMSMB(Micro, Small and Medium Business)の事業運営を支援する資金調達サービスとして、AIを用いた独自の審査モデルに基づく資金提供を進めてきたとしている。
外部提供の背景には、BASEグループ内で蓄積してきたAI審査モデルの知見を活かし、より多くの事業者の事業運営の中でYELL BANKを活用できる形にする狙いがある。これを受け、BASEはグループ内提供で得た実績を踏まえ、外部のプラットフォームサービスに対しても連携を広げる方針を示している。
スマレジが出世払い提供
外部提供で新たに連携するプラットフォームサービスとして、スマレジのPAYGATEを挙げた。連携開始日はBASEの発表では2026年3月25日としている。スマレジは、PAYGATEを利用する事業者のうち「スマレジ出世払い」の利用条件に該当する事業者へ提供する形をとる。BASEは、プラットフォームサービス利用事業者の利用実績データを活用し、AIによる自動評価を通じた設計を示している。
今回の動きで焦点となるのは、決済やPOSなどのプラットフォーム側で保有する利用実績データを前提に、YELL BANKの機能をサービス内に組み込む連携の広がり方だ。取引管理・法人営業の観点では、提供対象が「利用実績データを有するプラットフォームサービス」とされ、PAYGATEでは「スマレジ出世払い」の利用条件に該当する事業者に提供する形である点が論点となる。
