オートサーバー(東京都中央区日本橋室町)は、会員制BtoB中古車ECプラットフォーム「ASNET」を運営している。中古車取扱事業者がインターネット上で中古車を売買できる独自の会員制プラットフォームとして展開し、中古車流通市場の活性化と事業者間取引の効率化を目指す。
「ASNET」は、中古車取扱事業者がオンラインで中古車を売買できる点を特徴とする。オートサーバーは、会員に対し「どこよりも売りやすく買いやすい」「安心できる」「便利である」といった利便性の高い中古車流通サービスの提供を基本理念に掲げ、事業者間取引の場をオンライン上に整備している。
会員8.3万人の規模
拠点面では、2025年12月期末時点で本社・首都圏営業所(東京都中央区日本橋室町)に加え、豊橋本部(愛知県豊橋市)と豊橋事務センター・中部営業所(同)を置く。さらに北日本営業所(札幌市中央区)、仙台出張所(仙台市泉区)、北関東営業所(群馬県高崎市)、大阪営業所(大阪市淀川区)、広島営業所(広島市佐伯区)、福岡営業所(福岡市中央区)、鹿児島出張所(鹿児島県鹿児島市)を展開する。BCP対策の強化と増大する車両データへの対応を目的に、2025年12月には豊橋本部新社屋(新データセンター兼オフィス)が稼働した。
2025年12月期実績では、「ASNET」会員数が前年比3.9%増の過去最高83,749人となった。国内の中古車取扱事業者は15万以上とされ、このうち約半数が「ASNET」会員を占める。総資産は20,316百万円、純資産は13,032百万円、自己資本比率は64.1%で、発行済株式数は7,196,600株(自己株式25株を含む)となっている。
サービス面では、「ASNET」を基盤に「オークション代行」サービスを提供する。全国の中古車オークション会場と接続し、出品車両データを「ASNET」に掲載、会員の落札を代行する仕組みだ。あわせて「ASワンプラ」サービスでは、「ASNET」会員間の中古車売買取引を仲介する。店頭在庫車両を持つ会員が業販価格を付けて「ASNET」に掲載し、時間優先原則で落札会員との取引を仲介し、車両価格によらず取引1台ごとに手数料を得る。
周辺機能として、落札・出品車両の輸送手配を担う「陸送手配」、スマートフォンアプリ「みるクル」を用いた販売・顧客業務支援の「カスタマーコミュニケーション支援」、会員向けの「カー用品通販」などを展開する。オンライン上の売買と、輸送や顧客対応といった実務オペレーションの接点を同一基盤の周辺に配置する構成だ。
沿革では、オートサーバーは1997年6月にインターネット利用による中古車流通の効率化を目指して設立され、1998年5月に「ASNET」の運営を開始した。2014年1月に台湾・グレタイ証券市場(GYSM市場)に上場したが、経営資源を国内成長に集中させるため、2015年11月に旧オートサーバーのMBOを目的とする(株)ASHを設立。2016年3月に台湾上場を廃止し、同年6月にASHが旧オートサーバーを完全子会社化するとともに旧オートサーバーを吸収合併し、商号を(株)オートサーバー(現オートサーバー)に変更した。2023年9月には東京証券取引所スタンダード市場および名古屋証券取引所メイン市場へ上場した。
開発体制では、グループはオートサーバーと、オフショア開発拠点として設立した非連結子会社AUTOSERVER VIETNAM CO.,LTD.(ベトナム)で構成する。オートサーバーが「ASNET」を運営し、ベトナム拠点を含む開発体制によりサービス機能の拡充に必要な開発リソースを確保しやすくしている。
市場環境では、中古車流通台数が前年並みにとどまる局面でも、「ASNET」会員数は過去最高を更新し、取引台数も増加した。オートサーバーはサービス上、「オークション代行」と「ASワンプラ」を主力とし、両サービスの取引台数には逆相関関係がみられる。一方が減少する局面で他方が増える動きがあり、会員の調達・販売行動に応じて取引形態が切り替わる余地があることを示す。背景には、会員制ECプラットフォームがオークション接続と在庫仲介を共通機能として備える動きが中古車流通業界で広がり、「ASワンプラ」の時間優先原則が業界標準的手法と一致していることがある。
運営は国内拠点軸
運営体制では、拠点網を本社・首都圏営業所、豊橋本部、豊橋事務センターのほか、札幌、仙台、高崎、大阪、広島、福岡、鹿児島に広げ、全国の中古車取扱事業者がオンライン取引を利用する際の接点を複数に分散している。車両データの増大に対応するため、2025年12月には新データセンター兼オフィスとなる豊橋本部新社屋が稼働し、データ処理や業務継続に関わる機能を拠点側で担う体制を整えた。
「ASNET」を基盤に、全国の中古車オークション会場と接続して出品車両データを掲載し、会員の落札を代行する「オークション代行」と、会員間の売買を仲介する「ASワンプラ」を組み合わせる。周辺サービスとして陸送手配やスマートフォンアプリ「みるクル」を使った支援、会員向けカー用品通販も提供し、売買成立後に発生する輸送や顧客対応といった実務面を同一基盤の周辺に配置している。
オートサーバーは1998年5月に「ASNET」の運営を開始して以降、同サービスを基盤に「オークション代行」や「ASワンプラ」など関連サービスを拡充してきた。資本市場では、台湾市場での上場・廃止を経て経営資源を国内成長に集中させ、2023年9月に東京証券取引所スタンダード市場および名古屋証券取引所メイン市場へ上場した。開発面では、非連結子会社AUTOSERVER VIETNAM CO.,LTD.(ベトナム)をオフショア開発拠点として位置づける。
事業計画では、2026年12月期に「ASNET」取引台数を前年比1.9%増の244,695台と見込む。「オークション代行」と「ASワンプラ」の構成比は過去平均値を前提とし、新規会員獲得とサービス機能の充実を通じて小幅増収を狙う。会員基盤の拡大と取引増を同時に進め、オークション接続機能と会員間仲介機能、周辺の輸送・業務支援を組み合わせたBtoB中古車ECモデルの収益性向上を図る。
