Atlas株式会社(東京都渋谷区)は、株式会社AOKI(神奈川県横浜市)が運営する公式オンラインショップに、独自開発のAIエージェント技術「EC Agent」を導入した。ユーザーの行動履歴を“記憶”し、嗜好に基づいて商品を推薦する仕組みで、個別に最適化された購買体験を提供する。
AOKIのオンラインショップで導入されたEC Agentは、ユーザーの閲覧履歴やクリック動作を短期的に保持し、AIが文脈を理解して商品提案を行う。これにより、好みを理解したスタッフのような接客をAIが担う形をとる。Atlasにとっては、AIがユーザーの記憶を理解して行動提案を行う研究開発の第一段階とされる。
行動記憶型AIでAOKIがEC接客を高度化
AOKIは、2025年12月1日からEC Agentを稼働させ、利用者ごとに興味関心に即した商品をポップアップなどで提示する仕組みとしている。商品点数の増加によりオンライン上で目的の一着を探す負担が増している背景があり、AIによって接客の質を補う狙いがあるという。AtlasはAIエージェントの基盤技術「Memory Layer」により、行動の文脈や長期的な嗜好を記録する研究を進めている。
この導入により、EC上での顧客対応にAIを活用する動きがアパレル分野にも広がった形となった。AOKIはまた、実店舗での接客の温かみとオンラインの快適性を融合させる取り組みの一環と位置づけている。
Atlasが開発、役割分担は開発と導入
今回のシステムは、Atlasが開発を担い、AOKIが自社ECサイトに導入・運用している。AtlasはAIエージェントの研究開発を行うスタートアップで、ユーザー行動をAIの記憶として解析する技術を保有する。AOKI側が販売運営を行い、Atlasが技術基盤を提供する関係にある。
提供範囲はAOKIの公式ECサイトとされ、他チャネルへの展開は明示されていない。提供期間や再導入に関する記述もなく、初回導入としての単発施策の形をとっている。Atlasは今後、異なる領域に向けたAIエージェント実装も予定しているが、具体的計画は示していない。
Atlasは2025年に「記憶の主権を個人に取り戻す」ことを目的にR&D部門を設立しており、AIが個人の記憶情報を適切に扱う研究体制を整えている。取引運用上はAtlasが技術提供を行い、AOKIが接客部分の活用範囲を管理する体制で進められている。