株式会社アソビナ(東京都千代田区)が運営するECプラットフォーム「DELIGRAPHICS(デリグラフィックス)」は、出店パートナー募集を本格的に強化する。イラストレーターやグラフィックデザイナー、フォトグラファーなどのクリエイターに加え、オリジナルグッズを展開したいカフェやショップ、ブランド運営者に新たな販売機会を提供する。受注生産型を軸に在庫リスクと物販業務の負担を抑える設計で、利用側の運用スタイルに影響を与えそうだ。
DELIGRAPHICSは「“着る”ことで始まる物語」をコンセプトに、オリジナルグラフィックをTシャツやバッグなどのアパレルアイテムとして展開できる仕組みを用意する。受注生産型モデルにより在庫を抱えずに販売でき、製造や発送のオペレーションは運営側が担う。出店者は商品企画や情報発信に注力できる体制を整え、店舗ロゴやオリジナルキャラクター、キービジュアルなどを活かしたグッズ展開を支援する。
対象拡大で受注生産
出店パートナー募集の対象は、クリエイターに限らず、オリジナルグッズを展開したいカフェやショップ、ブランド運営者など幅広い事業者に広がる。ジャンルは問わず、アート、ストリート、キャラクター、ロゴデザイン、ショップブランドなど多様な表現を受け入れる方針だ。アソビナは繊維製品の製造・卸とEC小売を手がけ、2018年1月に設立した。資本金は900万円で、アパレル製造の実績を背景に、作品や店舗の世界観をアパレルアイテムへ展開する導線を整え、リアル店舗のファンコミュニティをオンライン販売へつなげるモデル構築を進める。
取り組みの具体例として、Johnsonville、飯村一輝、POPUPラーメンとのコラボレーションがある。作品や店舗の背景、オーナーやクリエイターのストーリーを伝える発信にも踏み込み、出店者に焦点を当てた記事や特集コンテンツの拡充を進める。商品製作にとどまらず、コンセプト設計やターゲット設定、世界観づくりなどブランディング段階からの伴走を掲げ、継続的に支持されるブランド構築を支援する。
背景には、SNSを活用して世界観を発信するカフェやライフスタイルショップが増える一方、「オリジナルグッズを作りたいが在庫が不安」「物販まで手が回らない」といった課題が広がっている状況がある。こうした需要に対し、受注生産を軸にした運営設計で在庫負担の抑制を打ち出し、制作や配送の実務を運営側に集約することで、出店者側の運用負荷を軽減する狙いだ。
外部環境では、クリエイターや店舗がオンラインで商品を展開する動きが広がり、受注生産型モデルを採用する類似のオリジナルグッズ販売サービスも複数登場している。EC領域では、複数チャネルでの商品展開を支える製品情報管理(PIM)の重要性が高まり、商品データを一元管理しながら各プラットフォームに展開する仕組みづくりが、eコマースや製品主導型産業で経営課題となりつつある。
製造・発送を運営が担う体制
DELIGRAPHICSは受注生産型モデルを採用し、製造や発送オペレーションを運営側が担う。出店者は企画や発信に集中できるようにし、店舗ロゴやオリジナルキャラクター、キービジュアルなどを活かしたグッズ展開をサポートする。出店希望パートナーのエントリーは公式サイトで受け付けている。
出店者に焦点を当てたコラボレーション記事や特集コンテンツを強化し、作品や店舗の背景、オーナーやクリエイターのストーリーを発信することで、ファンとのつながりを強める考えだ。運用面では、受注生産を軸に在庫リスクを抑える一方、製造・発送を運営側が担う分担構造を前提に、出店者はブランド戦略や顧客とのコミュニケーションに比重を置く形をとる。
今回の動きにより、DELIGRAPHICSは出店パートナー募集の対象を広げるとともに、受注生産と運営側による製造・発送を組み合わせた提供形態を明確にした。法人にとっては、製造・物流をアウトソースしながら自社のブランド戦略を前面に出せる販売チャネルとしての位置づけが強まり、社内の在庫管理や物流体制に大きな変更を加えずにオリジナルグッズ事業に参入しやすくなる可能性がある。
