アスクル株式会社(東京都江東区)は、2025年10月19日に発生したランサムウェア攻撃によるシステム障害について、2月13日時点で主要なECサービス機能を含む出荷業務を全面的に再開したと明らかにした。物流拠点の全てで新物流システムの運用が復旧し、当日配送サービスも順次再開した。これに伴い、発表を続けてきた復旧報告は今回で一区切りとなる。
同社はASKUL横浜DCを含む全物流センターで新たな物流システムを稼働させ、商品の出荷再開を完了した。加えて、ECサービス「ASKUL」で一般品から順次、当日配送の「お急ぎ便」機能を再開。これによりサービス提供体制は障害発生前の水準に戻り、BtoB向け日用品通販事業の基幹機能が正常化した。同社は今回の動きを、一連の障害対応の最終段階と位置づけている。
全拠点で物流システム稼働
アスクルは2月4日、横浜配送センター(ASKUL横浜DC)での出荷再開に踏み切った。
これにより全国の全物流センターが新物流システムを用いたオペレーションに切り替わった。各拠点では段階的にシステムの安全確認とデータ整合性の検証を進めてきた結果、通常出荷が可能となったものだ。同社は物流網の完全復旧を確認後、全社的な通常運用フェーズへ移行したとみられる。
また「ASKULサービス」上では、一般法人向けの定番品カテゴリから順次、当日配送機能を再開した。午前11時までの注文で当日夕方に配送する従来の運用を再び可能とし、顧客の利便性確保を急いだ格好だ。
セキュリティ対応を継続
アスクルは併せて、情報流出への対応状況も公表した。
12月22日に「アスクルのサイバーセキュリティ」専用ページを開設し、取り組み方針と情報保護対策を公開。12月12日には第13報として調査結果報告を実施済みだ。流出の対象となる顧客や取引先などには個別連絡を終えており、今後も長期的な監視体制を維持するとしている。情報流出の範囲や被害の拡大は抑制されたと考えてよいだろう。
経緯と背景、今後の運用体制と注目点
ランサムウェア被害は、同社の主要システムを含む大規模な障害として2025年10月19日に発生した。
受注停止により法人顧客のオフィス消耗品供給が一時的に中断し、取引先にも影響が及んだ。障害発生から約4ヶ月で全拠点の出荷再開に至った。
供給網に連鎖的な遅延を生むケースもあり、物流インフラの冗長化が重要な課題とされている。
アスクルは今後、通常運用後のサービス変更や対策進捗を公表していく方針だ。
公式発表による復旧報告は今回で終了とし、以降は各サイトで個別の案内を行う。新たな重要事実が判明した場合には改めて告知するとしており、運用の透明性確保が焦点となる。同社の復旧完了は、物流・IT分野でのサイバーリスク対応が常態化する中での一つの節目と位置づけられる。