アセンテック株式会社(東京都千代田区)は、BIPROGY株式会社が社内RPA(Robotic Process Automation)用基盤としてアセンテックの「リモートPCアレイ」を導入したと発表した。BIPROGYはRPAを24時間365日稼働させる運用を念頭に、安定稼働の維持と遠隔保守性を備えた基盤に刷新し、データセンターに出向かずに障害対応や保守作業を行う体制の構築を目指す。
BIPROGYは2017年からRPAを活用してきたが、既存基盤ではハードウェア保守期限の到来とWindows 11に対応しない点が課題だった。RPAの安定性を確保しつつフリーズ対応などを遠隔で実施できる体制を整えるため、RPA向け専用インフラへの刷新に踏み切った。選定にあたっては、Windows 11への対応と高いスペックに加え、ハイパーバイザーが不要で、OSの状態に依存せずネットワーク経由で電源ON/OFFや再起動が可能な点を重視した。
BIPROGYで150台稼働
導入後は、本番環境用120台、検証用30台の計150台のRPA専用PCを「リモートPCアレイ」上で稼働させる構成とした。リモートKVM機能を備えたことで、サーバールームでの物理的な操作を減らし、管理負荷を軽減したという。あわせて、1ユーザ1カートリッジの運用により、処理スピードの向上と障害リスクの分散を図った。
アセンテックは「リモートPCアレイ」を、20年以上にわたる仮想デスクトップ販売・構築の経験を踏まえて企画した自社製品と位置づける。PC集約率や保守運用性の向上を重視して開発しており、ハイパーバイザー不要とすることで設計・構築期間の短縮を打ち出す。1ユーザ1カートリッジの利用形態により、パフォーマンス障害を抑えつつ、RPAのように処理が集中する業務でも安定稼働を確保しやすいとする。
BIPROGYでは、既存基盤の保守期限とOS対応の制約を受け、24時間365日稼働を想定するRPAの止まらない運用を維持する観点から刷新を進めた。OSの状態に左右されず、ネットワーク越しに電源ON/OFFや再起動を行える点を生かし、データセンターに出向かずにフリーズ対応などを行う運用を前提とした体制を整えた。導入の実務は、情報システムサービス部企画室企画二課が中心となって進めた。
背景には、OSサポート終了が社内IT基盤の更新を促す要因になりやすい事情がある。Windows 10は2025年10月にサポート終了が予定されており、業務自動化基盤を含む端末や運用の更新計画に影響を与える可能性がある。アセンテックは、RPA専用インフラとしての「リモートPCアレイ」にWindows 11対応や24時間365日を前提とした安定稼働、リモートKVM機能を組み合わせ、OS更新期における業務自動化基盤の移行ニーズを取り込む構えだ。
管理機能としては、シャーシ管理(ファームウエアアップデート、電源状態、温度監視)やPCカートリッジ管理(電源ON/OFF、再起動、IP設定)、スイッチ管理などを備え、遠隔から電源操作や環境設定を集中的に行える設計とした。これにより、運用担当者はRPAロボットの停止・再起動や検証環境の切り替えなどをリモートで実施しやすくなり、保守要員の拠点集約や夜間・休日の対応負荷軽減につながるとみられる。
遠隔操作で保守集約
BIPROGYは社内RPA基盤の刷新にあたり、「リモートPCアレイ」を基盤の中核コンポーネントとして組み込んだ。ハイパーバイザー不要である点に加え、OSの状態に依存せずネットワーク経由で電源ON/OFFや再起動が可能な仕組みを活用し、RPAロボットのフリーズ時にも遠隔から対応できる保守運用を構築する。これにより、データセンターへの物理的な出張作業を減らし、保守要員や運用拠点を集約する狙いがある。
150台規模のRPA専用PCを本番・検証に分けて稼働させる体制と、遠隔での電源操作・再起動を前提とした保守プロセスの組み立ては、今後のRPA基盤刷新のモデルケースとなる可能性がある。OSサポートやハードウェア保守期限への対応と同時に、どこまでを遠隔保守で賄い、どの範囲を現地対応とするかが重要な検討材料となっており、今回の事例はその具体像を示すものと言える。
