株式会社淺沼組(大阪市浪速区)は23日付で、異形鉄筋を用いるひび割れ誘発目地付床スラブ構法「床CCB-NAC工法」に関し、一般財団法人日本建築総合試験所の建築技術性能証明(第25-32号)を取得した。淺沼組は鉄筋挿入型ひび割れ制御工法協会(CCB工法協会)内の工法研究会に参画する13社の1社で、同協会の代表会社も務める。増し打ちコンクリートの削減を通じ、建設現場の施工負担と環境負荷の論点が接続し得る。
床CCB-NAC工法は、鉄筋コンクリート造スラブ表面に誘発目地として鉛直方向のカッター目地、ひび割れ誘発材、目地平行スラブ筋を一直線上に配置し、収縮ひび割れの発生位置を制御する工法だ。目地部以外の床部分について、床スラブの耐力を全スラブ厚さを用いて既往の設計式で評価できる点を特徴に挙げる。CCB工法協会が推奨する充填材として、PRS(PorousResinSand)も示しており、同材料は建設材料技術性能証明「GBRC材料証明第22-01号」を取得している。
施工実績377件、672名登録
CCB工法協会は2012年4月1日に設立し、2026年2月現在の正会員は19社とする。施工実績は377件で、協会内に設置した床CCB-NAC工法研究会には、2026年2月現在で正会員13社が参加している。床CCB工法は2017年以降、30物件を超える物流倉庫や工場などの土間床で適用し、目地内にひび割れを制御してきたとしている。
今回取得した建築技術性能証明(床CCB-NAC工法 GBRC 性能証明 第25-32号)は、申込者が提案する「床CCB-NAC工法 設計・施工指針」に従って設計・施工されたひび割れ誘発目地付床スラブについて、目地無しの床スラブと同等の構造性能を有し、床スラブの耐力を目地部以外の床部分のスラブ厚さを用いて既往の設計式で評価できる、とする内容を示した。
適用対象は、鉄筋コンクリート造、鉄骨造および鉄骨鉄筋コンクリート造建物の鉄筋コンクリート造スラブ、デッキスラブ(合成スラブを除く)、土型枠スラブ、ハーフPCaスラブとし、いずれのスラブ形式もボイドスラブは除くとしている。
参考資料では、従来の目地を設ける方法が、スラブ厚を全スラブ厚から目地深さを減じた寸法で設計に用いるため、実施工で目地深さ厚の増し打ちを行うのが一般的だった点を整理した。一方で、目地を設けるだけでは断面欠損率が少なく、期待しているように目地内にひび割れが入らない実情にも触れている。床CCB-NAC工法は、誘発材を目地断面中央に配置し、目地部の総断面欠損率(非コンクリート率)を増大させる考え方を採るとしている。
開発では、京都大学の西山峰広名誉教授、谷昌典教授、山田諒助教の協力を得て進めたとも記載した。目地の幅3mm、深さ10mmでも高い確率で目地内にひび割れを誘導できることや、適切な大きさの目地を設けて応力の流れをコントロールすることにより、構造性能は低下しないことを証明したとしている。
CCB工法協会は、CCB工法を適用する作業所に対し、協会が認定したCCB工法施工管理技術者による施工指導を義務付けている。CCB工法施工管理技術者は、協会が実施する講習会を受講し(5年毎に更新)、試験を通じ相応レベルの知識・技術を保有すると認定された者に与えられるとしている。
