建設DXを推進する株式会社Arent(東京都港区)は、従業員10名が「buildingSMARTプロフェッショナル認証」を取得したと発表した。BIM(Building Information Modeling)の国際標準に基づく知識とスキルを客観的に証明する資格で、Arentは国際規格に準拠した実装・支援体制の強化につなげる考えだ。BIM領域の提案から実装までを一気通貫で担う体制づくりを進める。
「buildingSMARTプロフェッショナル認証」は、BIMの国際標準を策定する非営利組織buildingSMART International(本部:英国)が運用する世界共通の資格制度とされる。Arentは、BIMマネージャーの能力を認定する国際資格としての性格を踏まえ、国際標準規格に基づく知識基盤を社内に確保することを重視する。認証取得者をプロジェクトに配置し、専門部署の「BIM推進室」が横断的に支える構成により、国際規格準拠の開発や運用コンサルティング、行政制度への対応支援を進める方針だ。
PM9名の体制
今回の取得者は計10名で、内訳はPMが9名、BIMコンサルタントが1名となる。取得メンバーは五十嵐理絵、籠池斉志、北井勇樹、佐藤彰洋、茅根哲朗、土屋雅博、野村亮太、古澤辰徳、山越将之、吉田昂生の10名だ。国内のIT・SaaS提供企業で10名の有資格者を擁する体制は国内でも有数の規模とみられ、ArentはBIM領域の提案・実装を担う人材の層を厚くしてきた。
Arentは建設・プラント業界向けDX支援やシステム開発・販売を手がけ、BIMを直感的に扱えるRevit向けプラグイン群「LightningBIM」シリーズを展開している。資本金は12億8,653万6,388円で、代表取締役社長は鴨林広軌氏。BIM推進室の設置と資格者の増強を組み合わせ、国際標準に基づく知見を社内に蓄積しながら、システム実装と運用支援を同時並行で進める体制整備を急ぐ。
制度面では、国土交通省が「BIM建築確認プロセス」を推進している。令和6年6月14日に改正建築基準法が施行され、2024年度から建築確認申請でBIM活用の拡大が始まった。BIMモデルを活用した確認申請の標準化を進め、2025年度以降に本格運用する方針が示されており、Arentは公的標準への準拠を技術面から支援する姿勢を打ち出す。
人材面の外部環境では、建設業の就業者数がピーク時の1997年から約30%減少し、令和5年時点で約480万人とされる。高齢化率が40%超との指摘もあり、業界全体で生産性向上が喫緊の課題となっている。BIM活用を含むDX推進は政策面でも重点施策として位置付けられており、Arentが国際標準に準拠した知識とスキルを可視化した取り組みは、制度運用と人材制約が並行して進む環境下でBIMを運用するニーズに応えるものとなる。
bSJ加盟と室新設
Arentは2025年12月にbuildingSMART Japan(bSJ)へ加盟した。加盟時には、将来的なIFCの拡張(IFC5.0等)を視野に入れた対応や、「アプリ連携型」データ流通の実現を掲げた。これに連動し、2026年2月から専門部署として「BIM推進室」を新設した。社内では認証取得者が各プロジェクトに参画し、それらを横断的に支える形で同推進室を配置する。
国際基準の専門知見を活かす取り組みとしてArentが掲げるのは、国際規格に準拠したシステム開発、BIM運用の仕組み化、行政制度への対応である。IFC(Industry Foundation Classes)はBIMデータ交換の国際標準とされ、buildingSMART Internationalが仕様策定を担う。Arentが進めるIFC拡張(IFC5.0等)への対応やアプリ連携型データ流通の実現は、規格準拠を軸にBIMデータを利活用するうえでの中核テーマであり、社内横断の推進組織を通じて取り組みを加速させる構えだ。
今回の動きでは、国際規格に準拠した開発や運用コンサルティング、行政制度への対応支援を、資格者のプロジェクト関与とBIM推進室の横断支援で進める運用設計が焦点となる。案件ごとにPM9名とBIMコンサルタント1名が担う役割と、BIM推進室が担う横断支援の範囲を整理することで、国際標準に裏打ちされたBIMの実装と運用支援を一体で提供する体制を構築する。
