株式会社アクアリーフ(神奈川県平塚市)が提供する「フードバンク業務管理システム」が、公益財団法人日本生産性本部 サービス産業生産性協議会(SPRING)が選定する「日本のサービスイノベーション2025」に選ばれた。フードバンク活動を支援するクラウド型プラットフォームとして、寄附品の管理とトレーサビリティを一体的に実現し、フードバンク活動の効率化と適正化を促す。
フードバンク業務管理システムは、フードバンクの業務管理に特化したクラウド型システムで、多岐にわたる寄附品の管理と履歴追跡を可能にしている。選定にあたっては、フードバンク団体との協働開発を通じて現場の課題を織り込み、革新的な価値提案と価値共創の仕組みを構築した点が評価された。
2020年12月協働開発
同システムは、在庫管理(入出荷処理)や賞味期限管理、食品アレルゲン管理、トレーサビリティ、寄附金管理(寄附証明書の発行)、寄附実績の集計、寄附者・受益者の個人情報管理など、フードバンク運営に必要な機能を幅広く備える。タブレット端末とバーコードリーダーを活用し、キーボード入力を不要とする設計で、入出荷作業をシンプルな操作で行えるようにした。寄附品の登録では、独自の「管理用バーコード」による一元管理を採用し、JANコードのない寄附品も画像付きで登録できるようにしている。
さらに、団体の活動実績の出力に加え、寄附企業向けに全額損金算入に必要となる受領書や引渡実績などのトレース情報を提供できる。フードバンク活動では寄附品の種類やロット、保管状況、引き渡し先が多岐にわたり、こうした記録の残し方が運用の中核となる。同システムは、その記録業務をデジタル化し、法制度や税務上の要請にも応えうる情報管理を可能にした。
開発は、2020年12月に平塚市の「令和2年度(2020年度)市民提案型協働事業(食品ロス削減および相対的貧困解消事業)」の一環として始動した。地元フードバンク団体のフードバンクひらつか(現・認定NPO法人フードバンク湘南)とアクアリーフが協働し、現場の業務フローに即した仕様を詰めながら、クラウド型プラットフォームとして開発した。自治体とNPO、民間企業が連携し、食品ロス削減と貧困対策の双方を視野に入れたデジタル基盤を整備した形だ。
また、この取り組みは2025年3月、内閣府主導の「第4回デジ田(デジでん)甲子園」でインターネット投票第5位、審査委員会部門第8位に入賞した。自治体の協働事業を起点に、現場の手順に即したデジタル化を図った点が評価されたとみられる。地域発の業務管理システムが、全国規模のコンテストやアワードで相次いで取り上げられたことで、他地域のフードバンクや関連分野への展開可能性にも関心が集まりそうだ。
クラウド運用の要所
クラウド運用面では、在庫の入出荷処理や賞味期限、食品アレルゲン、寄附金管理、寄附実績の集計、寄附者・受益者の個人情報管理といった機能を一体で扱える構成とした。タブレット端末とバーコードリーダーの組み合わせにより、ボランティアを含む多様な担い手でも扱いやすい操作性を確保し、現場の負担軽減と入力ミスの抑制を狙う。
寄附品登録は独自の管理用バーコードで一元管理し、JANコードのない食品や雑貨も画像情報と紐づけて記録できる。寄附企業向けには、受領から引き渡しまでのトレース情報を体系的に出力できるため、企業側の寄附管理やコンプライアンス対応にも資する仕組みとなっている。アクアリーフは、フードバンク団体との協働開発で培ったノウハウを基に、今後もフードバンクのデジタル基盤整備を支援するとみられる。
