アクア株式会社(東京都中央区)は、株式会社Wash Peaksが開発した「災害備蓄ランドリー®」に、INNFRA株式会社の可動型水循環ユニット「INNFRA Base」を搭載したオフグリッド型コインランドリー「Re:フレッシュランドリー 道の駅富士川店」に、同社のコインランドリー機器が導入されたと発表した。同店は6日に山梨県内の防災道の駅「道の駅富士川」で営業を始め、運営は株式会社フーマイスターエレクトロニクスが担う。断水時の生活用水確保と洗濯機能を組み合わせ、避難生活の衛生維持に向けた選択肢を増やす狙いがある。
「Re:フレッシュランドリー 道の駅富士川店」は、「INNFRA Base」に「災害備蓄ランドリー®」を併設する構成をとる。「INNFRA Base」は上下水道に依存しない大容量かつ可動型(トレーラー型)のオフグリッド型インフラユニットで、生活排水(トイレ除く)を浄化・循環利用する水循環システム「INNFRA Water」を採用する。水質・水量・稼働状況を遠隔でモニタリングしながら供給する仕組みで、平常時の利用と災害時の運用を一体で想定した設計となっている。アクアにとっては、コインランドリー機器の提供を通じた防災関連の取り組みの一つとなる。
1日最大5,000L供給
「INNFRA Base」による供給量は1日最大5,000Lで、「Re:フレッシュランドリー 道の駅富士川店」は山梨県の道の駅富士川で営業する。平常時には道の駅利用者や周辺住民向けのフェーズフリーコインランドリーとして運用し、災害時には上下水道に接続しない独立系インフラとして機能させる。
オフグリッド型の構成は、断水局面での生活用水確保と洗濯機能を同時に提供することを目指す。同店では、遠隔モニタリングによって水質・水量・稼働状況を把握しながら供給する運用を採用し、平常時利用と災害時運用の両立を図る。設置場所として「防災道の駅」を掲げる道の駅富士川を選んだことも、平時の利用を通じて稼働を維持し、有事には防災拠点として即応できる体制を確保する狙いがある。
アクアは業務用洗濯機器で1965年に国産初の開発・販売を手掛け、1971年には三洋電機時代にコイン式全自動洗濯機を発売した経緯がある。コインランドリー機器では、2024年の出荷台数ベースで業界トップシェア(同社調べ)を持つとし、災害対応型コインランドリーの提案も進めてきた。今回の導入は、同社の業務用機器をオフグリッド型インフラと組み合わせた新たな運用モデルに組み込む動きとなる。
地震・豪雨などに伴う断水被害が相次ぐなか、長期化する避難生活では飲料水に加え、洗濯・入浴などの生活用水の不足や衛生環境の維持が課題となっている。衛生環境の悪化が感染症リスクの上昇やストレスの増大につながることは、東日本大震災など大規模災害で指摘されてきた。災害時も利用可能なランドリー機能を地域に備蓄する取り組みは、避難所での生活の質向上や健康リスク低減につながるとみられる。
背景には、平時の利用と一体で備える「高付加価値コンテナ」の活用を国が推進している事情がある。「高付加価値コンテナ」は、運用場所を柔軟に変更できる可動性を備え、平常時と災害時に有効活用できる空間としてのコンテナを指す。可動型のインフラユニットとランドリー機能を組み合わせる構成は、こうした政策の方向性と連動し、可動性と平時利用の両立を図るものだ。INNFRAは山梨県甲府市に本社を置き、オフグリッドインフラの開発を掲げ、5年以上にわたって実証実験を重ねてきた。
4社で運営役割を分担
参画企業の役割分担は、株式会社Wash Peaksが「災害備蓄ランドリー®」の設計・開発、INNFRA株式会社が可動型インフラユニット「INNFRA Base」の設計・実装、株式会社フーマイスターエレクトロニクスが「Re:フレッシュランドリー」の事業運営と総販売を担う。アクアは「Re:フレッシュランドリー 道の駅富士川店」へのコインランドリー機器の供給で関与する。Wash Peaksは避難所での生活の質(QOL)低下を課題に「災害備蓄ランドリー®」(商標登録)を開発し、公共施設へのランドリー機器備蓄を進めている。
供給形態は、「INNFRA Base」をトレーラー型の可動型ユニットとする設計に基づき、災害時には地域住民への無料開放に加え、避難所への可動式ランドリーとして派遣できる構成とした。店舗常設のランドリー運用に加え、トレーラー型ユニットとして移動させることで、被災地の状況に応じた柔軟な運用を可能にする。
