外国人人材の採用支援を行う株式会社ア・プロ(千葉県船橋市)は、特定技能を含む外国人労働者の採用・教育・定着を一体化した新サービス「フラットパッケージ」を正式に開始した。初期導入費を不要とし、離職による追加コストを抑える仕組みを導入した。人手不足が続く運輸や介護などの業種を中心に、企業の人材確保に向けた支援体制を整える。
同社は、人手不足対策として外国人労働者を採用する企業に対し、採用後の日本語教育や職場定着までを包括的に支援する。登録支援や教育アプリ、AI動画マニュアルを組み合わせ、離職の発生による内部的損失を軽減することを目的とする。物流や介護を中心に、地方企業にも利用範囲を広げることを想定している。
年間3,500万円規模の損失試算
トラック運送業界では慢性的な人手不足が課題となっており、全日本トラック協会の年頭所感でも人材確保が主要テーマに挙げられている。ア・プロによる試算では、1人の離職に伴い、人事工数や教育、OJT対応などで約35万円の内部コストが発生するとされる。年間100人が離職するケースでは3,500万円前後、5年間では約1.75億円に達する規模だ。
この「見えない損害」は中堅・中小事業者にも及び、10名規模の運送会社でも年間約400万円の負担に相当する。同社はこの構造的課題への対応を狙い、採用コストを平準化した定額型サービスを設計した。
同社は2024年設立。千葉県船橋市に本社を構え、東京ヘッドオフィスを千代田区に置く。採用支援対象は運送、倉庫、物流、飲食、宿泊、介護など複数分野に広がる。
採用から教育まで一体運用
「フラットパッケージ」では、登録支援・教育システム・AI技術を組み合わせて離職抑制を図る。提供形態はサブスクリプション型で、初期導入費を不要とした平準化モデルを採用。期間や数量の制限については明示されておらず。
運営面ではア・プロが採用および教育支援を担い、登録支援機関としての役割を兼ねて外国人雇用をトータルで支援する形をとる。同社は内部コストの削減と雇用維持に関する整備を企業側で進めるための支援を目的としている。
また、出入国在留管理庁の制度上、特定技能1号・2号に基づく受け入れ機関と登録支援機関の分担が定められており、支援計画の策定および実施を登録支援機関が担う仕組みになっている。ア・プロのサービスはその法的枠組みに沿った運用が前提となる。
分野別では、自動車運送業や宿泊業、介護業など「特定技能1号」の対象が示されており、これらの領域での登録支援事務を代行・連携する体制を備えるとされる。
支援の一部には、教育アプリや日本語学習機能を組み込み、職業生活上・日常生活上の支援を継続的に行う計画が含まれている。運用は登録支援機関制度に基づくもので、行政の許認可に従う枠組み下で展開される。
同社によると、人手不足の深刻化する運輸・介護などの分野で外国人材の採用を進める際、日本語教育や生活支援の体制構築が焦点となる。今回の取り組みは外国人材の受け入れから定着支援までを一体的にサポートする仕組みを示したもので、採用コストと定着率の両面で検証が進む形だ。