アニコム パフェ株式会社は、第22回日本獣医内科学アカデミー学術大会で「SNPアレイ解析による遺伝病関連変異の品種横断的再評価」を発表した。これまでに蓄積してきた約12万頭のイヌ検体を対象に、品種に限定しない網羅的な解析を実施し、その結果を踏まえて現行の遺伝病検査体制を見直す方針を示した。
イヌの遺伝病には品種ごとにリスクが知られているものが多く、国内の遺伝病検査では一般に、その品種別リスクの組み合わせに基づいた検査パネルが提供されている。アニコム パフェ株式会社は、こうした前提に依存しない網羅的解析を行い、複数の遺伝病で変異を保有する個体が確認されたことを報告した。従来の品種別リスクに基づく検査設計を見直し、より実態に即した検査体制への転換を図る狙いだ。
国内最大級12万頭
今回の解析は、アニコム パフェ株式会社が蓄積してきた約12万頭のイヌ検体を対象とした。品種を問わずSNPアレイによる網羅的な解析を行い、複数の遺伝病で関連変異を持つ個体が一定数存在することなどを明らかにした。発表は、2026年2月20〜22日に開催された第22回日本獣医内科学アカデミー学術大会で行われた。
アニコム パフェ株式会社はアニコムグループの一員として、イヌの遺伝病検査サービスを提供してきた。国内では長らく、品種ごとに知られた遺伝病リスクの組み合わせに基づき検査項目を設計する運用が主流であり、ブリーダーや飼い主は自らの飼育犬の品種に対応したパネル検査を選択する形が一般的だ。今回の発表は、この従来モデルと、SNPアレイによって品種横断的に得られた変異保有状況とを対比させ、検査設計を再考する必要性を提示する内容となった。
外部環境として、国内のペット関連市場は2025年時点で約1.8兆円規模とされ、犬の飼育頭数は約850万頭に達する。医療や予防領域のサービス拡充が進み、遺伝病検査もその一環として普及してきた。農林水産省のデータによると、犬の遺伝性疾患の発生率は品種により10〜30%超に達し、心筋症、眼疾患、関節異常などが主要な例とされる。こうした背景のもと、品種別の想定に依存しにくい解析手法としてSNPアレイの活用が進み、海外ではEmbark VeterinaryやWisdom PanelなどがSNPアレイベースの解析サービスを展開している。
検査見直しの運用像
アニコム パフェ株式会社は、今回の研究結果をもとに現行の遺伝病検査体制を見直す方針を明確にした。SNPアレイ解析で得られた品種横断的な変異分布を活用し、従来の品種別リスクの組み合わせに依拠したパネル構成から、実際の変異保有状況を反映した検査設計へと再構築することを検討している。
品種横断での観察からは、従来はリスクが想定されていなかった品種でも遺伝病関連変異の保有が確認される可能性が示された。業界では依然として品種別パネル検査を主軸とする事業者が多く、学会においても遺伝病関連テーマの報告が活発だ。こうした中で、アニコム パフェ株式会社は大規模な検体データを基盤に、品種に依存しない形で変異を再評価する新たな検査設計の枠組みを打ち出した。
同社は、研究で得られた知見を順次サービス設計に反映させ、遺伝病に苦しむどうぶつの一層の減少につなげたい考えだ。検査内容の見直しは、取引管理や法人営業の現場にも影響する可能性があり、ブリーダーや動物病院向けに提供する検査パネルの構成や運用単位がどのように再編されるかが今後の焦点となる。アニコム パフェ株式会社は、網羅的解析に基づく科学的根拠を背景に、国内のイヌ遺伝病検査市場における検査体制の高度化を進める構えだ。
