アミューズは、山梨県富士河口湖町の本社施設でこの春から宿泊事業を始める。施設名は「A VILLAGE」で、15日からオフィシャルサイトで予約受け付けを開始した。来月1日から約1か月のプレオープンを経て、5月4日にグランドオープンを迎える予定だ。本社機能を備えた西湖湖畔の拠点を一般開放し、滞在型の利用を促す。
A VILLAGEは西湖の湖畔にあるアミューズの本社施設を活用し、執務スペースに加えて宿泊設備やバーベキュー棟などを備える。アミューズは「西湖の湖畔にある自然豊かな施設を多くの人に楽しんでほしい」としており、芸能事務所としての事業領域と並行して、ライフカルチャー事業の一環として運用する。
本社「AMUSE VILLAGE」を転用、客室31室
本社施設は、アミューズが2021年に本社を富士河口湖町西湖に移転した際に本社オフィスとして整備した「AMUSE VILLAGE」が起点となる。約8800平方メートルの敷地内に執務スペースや宿泊施設、バーベキュー棟などを配置しており、これらの既存施設を宿泊事業に組み込む。客室数は31室で、プレオープン期間を経て本格的な受け入れを始める。
開業スケジュールは、来月1日から約1か月プレオープンし、その後5月4日にグランドオープンを迎える段階的な構成とした。西湖湖畔という自然環境を生かしつつ、オフィスと宿泊機能が同居する拠点として外部利用を広げ、長期滞在やワーケーションなど多様な需要の取り込みを狙う。
アミューズはA VILLAGEをライフカルチャー事業の中核の一つに据え、地域資源を活用したアクティビティ、施設、食の事業を組み合わせた滞在体験を展開している。西湖では湖上アクティビティ「HOBIE」による水上散歩や、富士山麓の食材を用いた「Restaurant SAI燊」でのガストロノミー体験を提供しており、宿泊の受け入れにより、これらのコンテンツを連泊で楽しむ滞在モデルを構築する。
豊島でも「ホテル聚」開業へ、複数拠点で展開
アミューズは同時期に、香川県の豊島で「ホテル聚」も展開する。計画は4棟全12室、敷地面積852平方メートルの規模で、「豊島の暮らしに泊まる」をコンセプトとする。A VILLAGEが本社施設の活用を軸にした西湖湖畔の拠点であるのに対し、豊島では島の暮らしやアートと日常の体験を組み合わせた宿泊を打ち出し、複数エリアでの滞在型事業を同時進行させる。
宿泊事業をめぐっては、企業が自社施設や歴史的建造物を転用してホテル運営に乗り出す動きが広がっている。良品計画は「MUJI HOTEL」を国内外で展開し、任天堂は旧本社社屋を改装したホテル「丸福樓」を運営する。アミューズのA VILLAGEも、本社施設を一般に開放して収益化とブランド発信を図る点で、既存資産の再活用という潮流の一つとなる。
背景には、アミューズがエンターテインメントに加え、地域の自然や文化を軸にした事業ポートフォリオを拡充してきた経緯がある。西湖の静かな環境や豊島の生活文化を連泊で体験させることで、従来のファン層にとどまらない顧客接点を開拓し、観光や地域振興との連携も視野に入れる。予約導線はA VILLAGEのオフィシャルサイトに集約し、自社管理のもとで需要動向を把握しながら、執務機能と宿泊機能が併存する拠点運営に踏み出す。
