アフラック生命保険株式会社は13日、NPO法人J-Winが主催する「2026 J-Win ダイバーシティ・アワード」で「企業賞 アドバンス部門 大賞」を受賞したと発表した。ダイバーシティ推進を経営戦略として位置づけ、女性リーダーを継続的に輩出している点などが評価された。受賞を機に、社内の推進体制やKPI(重要業績評価指標)運用の明確化が進み、取り組みの進捗を測る指標の共有が一段と広がる可能性がある。
同アワードは日本企業のダイバーシティ推進を加速させる目的で2008年に創設され、今回で19回目となる。アフラック生命は2018年にも同じ「企業賞 アドバンス部門」で大賞を受賞しており、2回目の大賞となった。経営トップのコミットメントのもと定量目標を設定し、実効性の高い推進を行っていること、経営層による推進支援と社員主導の活動の両面から社内浸透を図っていることなどが評価された。J-Winは同部門について、ダイバーシティを経営戦略として組み込み、女性リーダーを継続的に輩出している企業を対象とする枠組みとしている。
ライン長女性30%達成
アフラック生命はKPIとして「2025年末までに、ライン長ポストに占める女性の割合を30%以上にする」との目標を掲げ、これを達成したと説明している。ライン長は「直属の部下を持つ管理職」を指す。同社は2030年末に向けて新たなKPIを設定し、次世代の女性リーダー候補層を厚くするパイプラインの形成に取り組んでいる。
施策面では「女性の活躍推進プログラム」を策定し、「経営トップのコミットメント」「管理職のアカウンタビリティ(説明責任)」「女性のキャリア開発・育成・登用」などの観点から施策を展開している。施策設計では、女性社員と組織・職場の2軸、キャリア形成支援とライフイベント両立支援の2軸を掛け合わせ、4つの視点で体系化したとする。
同社は1974年の創業時から、役割期待、教育、評価などで男女差を設けない運用を掲げてきた。1997年には女性役員を登用し、多様性を尊重する環境整備を進めてきた経緯がある。今回の受賞は、こうした長年の運用方針を踏まえつつ、定量目標の設定と達成、女性人材の育成・登用を継続してきた点が評価対象となった。
同アワードは創設以降、企業の取り組みの成熟度に応じた表彰を行ってきた。2026年の企業賞アドバンス部門では、アフラック生命のほか3社が受賞している。評価基準の一つには、経営トップの関与やKPI運用の実効性が据えられており、企業内の指標設計と運用プロセスが、ダイバーシティ施策の持続性を測る材料となっている。生命保険業界では、アフラック生命が1997年に女性役員を登用した事例があり、ダイバーシティという言葉が一般化する以前からの取り組みの蓄積が、今回の評価につながった。
社長委員長で毎月運営
推進体制では、社長自らが「ダイバーシティ推進の基本的な考え方」を文書化し、全役職員に発信している点が挙げられる。あわせて、社長を委員長とする「ダイバーシティ推進委員会」を毎月開催し、進捗状況を経営トップが直接確認する体制を整えた。定量目標の達成状況を含む進捗の把握を、経営の意思決定と連動させる運用をとっている。
経営層と現場双方の取り組みとしては、社長を含む役員がメンタリングや育成プログラムを通じて女性社員の育成を直接支援している。社員側では、J-Winの活動に参加した経験のある男性管理職が中心となり、有志のネットワーキングを発足。管理職自らが各職場でのダイバーシティ推進を支援し、経営層による関与と職場側の自発的な活動を組み合わせる形で社内浸透を図っている。
2030年末に向けて新たに設定したKPIが、毎月の委員会での進捗確認とどのように結びつき、各部門の具体的な人材施策やマネジメントに反映されていくかが焦点となる。ライン長における女性比率といった指標と、社長が委員長を務める委員会の運営を軸に、どの部署・階層まで目標と進捗を共有し共通言語化できるかが、社内の説明統一や対外的な説明力の向上にも影響するとみられる。
